こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂
WISC編に続く、実際の指導編③④では「目」を扱いました。
今回は「体」。
テーマは「運動」です。
実際の指導編②の「45分の組み立て」で、私はこう書いてきました。
「運動は最優先パーツ」。
今回はその内容です。
あなたが指導している子の中に、こんな子はいませんか?
- 授業中、姿勢がどんどん崩れていく
- 椅子に正座する
- 椅子からずり落ちる・脚を前に投げ出す
- 書く時に、片方の肘で体を支えている
- 書字が乱雑
- 集中が続きにくい
「やる気がない」「だらしない」「どんくさい」。
そう見えてしまいがちなんですよね。
運動面で課題がある子たちは。
でも、その背景に「体幹・バランス感覚の弱さ」が隠れていること、結構あるんです。
本記事を読むことで、
通級で「運動」をどう指導するのか? 体幹・バランスから、体育につなげる動きまで
が分かります。
結論から言うと、運動は教科学習の土台です。
だから私は、45分の中での優先度は高いです。
やることは二層構え。
体幹・バランスという「土台」を育てながら、数週間〜1ヶ月先の体育に合わせた動きを仕込んでいく。
教室での学習と体育の授業、両方につなげていくんです。
では、内容に入っていきましょう!
なぜ「運動」を優先的に?──教科学習の土台だから
通級の指導で「運動」の優先度が高い?
ん〜?
と、疑問に思う人がいるかもしれません。
でも、よーく考えてみてください。
授業中の子どもは、ずっと「体」を使っています。
- 椅子に座り続ける
- 良い姿勢で話を聞く
- 正しい座位で書く(硬筆や毛筆も)
- 立って発表する、移動する
体幹(※体を支える胴体の力)やバランス感覚が弱いと、この全部がグラつきます。
座っているだけで疲れる。
疲れるから、姿勢が崩れる。
姿勢が崩れるから、書字が乱れて、集中も切れる。
負のスパイラル…😭
逆に、土台が育つとどうなるか。
- ノートテイクできる時間や量が増える
- 良い姿勢で話を聞けるようになる
- 正しい座位で書ける(硬筆・毛筆の時も)
- 立位の保持や、走る時のフォームが良くなる
体を支えられるようになることで、いろいろな学習・活動がやりやすくなるんです。
だから、教科学習の土台。
だから、優先的に指導する必要がある‼️
まず「見極める」──アセスメントは三段構え
運動のアセスメントは、実践編③の「目の運動」とは少しやり方が違います。
情報が、学級と家庭にあるからです。
- 聞き取り:保護者に「運動って、どんな感じですか?」。担任にも適宜「体育ではどうですかね?」などと確認します。
- 行動観察:教室での座位や書字の様子を見に行きます。できれば体育での様子も。
- 通級で実際に動いてもらう:次の章で紹介する「土台」の基本的な動きをやってみて、様子を観察します。
ここでも、担任から「教えてもらう」スタイル。
(「黒子として振る舞う」の話と同じですね)
指導は二層構え──「土台」と「体育につなげる動き」
土台①:バランスボール・バランスディスク
体幹・バランス感覚を育てる、主力の道具です。
バランスボールでよくやるのは、この流れ。
- ボールにもたれる
- 腕立ての姿勢をとる
- 片手を前方に伸ばして支持
- 両手を前方に伸ばして支持
支える点がだんだん減っていく=体幹への負荷が上がっていく、という組み立てです。
(※詳しいやり方は、後で紹介する本に写真つきで詳しく載っています)
土台②:マット──四つ這いから、アザラシ歩きまで
マットでは、この4つを必ずやります。
- 四つ這い
- 高這い
- ひじ這い
- アザラシ歩き
「這う」動きは、身体の土台の力を育てます。
地味に見えて、けっこうキツい。
あなたもやってみては?
やってみると、よく分かりますよ笑
体育につなげる動き──数週間〜1ヶ月先の単元に合わせて
そしてここが、もう一つの柱。
学級の体育の単元に合わせて、数週間〜1ヶ月ほど先に、つながる動きを通級でやっておくんです。
- マット運動の単元が近い →マット運動につながる動きをいろいろと
- ボール運動(ドッジボール・バスケットボール・サッカー) →投げる・蹴る動き
- 縄跳び →タオルを回す、ジャンプの仕方
- 鉄棒 →タオルを使って引き寄せる動き など
単元はどう知るか?
年間指導計画を見ればいい。
分からなかったら担任に確認すればいい。
それだけです笑
狙いはシンプル。
体育の本番で「あ、これ通級でやったやつだ」を作ること。
いきなり本番では難しい動きも、仕込んでおけば挑戦できます。
進め方と声かけ──1回10分、優先度は高く
時間は、1回10分程度。
運動がメインの子なら、15分×2回にすることもあります。
45分の組み立ての中では、優先的に組み込みます。
実際の声かけは、こんな感じ。
- 「お〜! 上手上手!」
- 「いいくらいのスピードだよ〜」
- 「のしのし進むよ」(高這いの時)
- 「ちょっと速すぎかな〜」
- 「あと2メートル! もうちょっと!」「最後まで!」
残りの距離を実況すると、子どもは最後までがんばれます。
ちなみに、私が実際に指導で使っている道具一覧はこんな感じ‼️
- マット2〜3枚
- バランスボール(小・中・大)
- バランスディスク
- ドッジボール
- フラフープ(小・大×3個程度)
- 児童用の机・椅子
- 跳び箱・平均台(あれば)
- フェイスタオル
- ビニールテープ(床にラインを引く用) など
安全面の注意
危険な動きは、基本的にありません。
ただ1つ、バランスボールに「もたれる」動きだけは、最初は注意です。
勢いあまって、そのまま頭から落ちていくことがあるので。
- まず私が実演して、速度を実際に見せる
- 最初はボールを押さえながら、もたれさせる
これで安全にできます。
あとは環境面の整備や確認。
脚を広げた時にぶつからないか。
投げたボールが棚に当たらないか、物が落ちてこないかなどですね☝️
使っている教材──「アラカルト」シリーズ3冊
運動の指導内容は、この3冊を愛用しています。
1冊目‼️
低学年で、体幹やバランス感覚が弱い子に使っています。
2冊目‼️
一番よく使っている1冊。
土台系の動きはほぼ全てこれに載ってます。
3冊目‼️
体育の学習に直接アプローチできます。
単元に合わせる時はこれ。
これ、めっちゃいいよ笑
どれも写真つきで動きが載っているので、そのまま指導に使えます。
その子の実態に合わせて、3冊の内容を組み合わせて使うのがおすすめです。
「終了」は、ほぼありません
指導編④では「終了の目安は、学級での変化で判断」と書きました。
でも運動は、正直に言うと、終了になる子はかなり少ないです。
理由は2つ。
①体育の単元は、学年が変わってもずっとあるから。
②求められる動きはだんだん高度になっていくから。
だから、複数年かけて指導することに意味があるんです。
私の経験上、1年以上「運動」の指導を継続すると、間違いなく向上が見られるようになります。
最初に変わってくるのは、意欲です。
意欲的に活動に参加するようになります。
上手くはできなくても、本人なりに一生懸命取り組み続ける。
この部分から変わっていきます。
頑張るその子の姿を見たり聞いたりすると、ほんと嬉しいよ✨️
よくある質問(FAQ)
Q. 部屋が狭くても、できますか?
できますよ。
教室サイズの部屋なら、ボール運動まで指導できてとても良い。
半分サイズだとしても、マットやバランスボール・ディスク、縄跳び運動など、多様な指導ができます。
部屋に合わせて(というやり方は本来はおかしいとは思いますが💦)メニューを選べば大丈夫です。
Q. 運動が苦手じゃない子にも、やりますか?
その子の実態によります。
苦手じゃなくても、課題がないとは言い切れません。
でも、アセスメントして特に気にならない+学級でも困っていないということであれば、無理に入れる必要はありません。
Q. 効果は、どのくらいで出ますか?
運動面の改善は、年単位です。
「意欲的に参加する」「投げ出さずに取り組み続ける」という変化は比較的早いけれど、それでも半年とかそのくらいの時間はかかる。
加えて、指導前の状態をあなたがきちんと把握していないと、伸びを見つけることができない。
となると、あなたも本人も関係者も伸びを実感できない。
ここでもアセスメントの重要性が際立ちますね。
まとめ
- 運動は教科学習の土台。だから45分の中で優先度は高い
- アセスメントは三段構え。聞き取り→行動観察→通級で実際に動いてもらう
- 指導は二層構え。土台(バランスボール・マット)+数週間〜1ヶ月先の体育につなげる動き
- 改善は年単位。先に変わるのは意欲。比べる相手は過去のその子
「SSTが大事」とか、「漢字を楽しく覚えよう」とか。
そういうのを否定する気はないけれど、そんな指導の前に教科学習に取り組む土台の「身体」の状態はどうなのか。
その部分をアセスメントし、見極めていけるあなたであってほしいです。
大丈夫。
今回紹介した書籍にやり方とかは全部写真つきで載ってるから笑
それを忠実にやっていけば、時間はかかっても必ず効果=学級適応につながるから。
10年以上の私の経験値を信じて指導を続けてみてください。
大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊
📖 実際の指導編シリーズ
- ① 指導をひとつに絞らない理由と考え方
- ② 45分を“指導パーツ”で組み立てる
- ③ 「目の運動」対面トレ編
- ④ 「目の運動」プリント編
- ⑤ 「運動」体幹・バランスから体育へ(この記事)
📚 関連記事
- 45分の組み立て方 →「通級の45分、どう作る? 指導を“パーツ”で組み立てる【実際の指導編②】」
- 目の運動(対面トレ)→「通級の「目の運動」対面トレ編|見る力のアセスメントと指導【実際の指導編③】」
- 目の運動(プリント)→「通級の「目の運動」プリント編|見る力を授業につなげる指導【実際の指導編④】」
- シリーズの考え方 →「通級指導は「組み合わせて・並行して」|指導をひとつに絞らない理由と考え方【実際の指導編①】」
- 筆者について →「プロフィール」

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