通級の「音読」指導|たくさん読ませる前にやること【実際の指導編⑦】

こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂

通級ラボ、自分なりに一生懸命書き続けて…
これが48記事目✏️
まずは50記事目指し、今日も書くぜ😁

実際の指導編、これまで「目」「体」「手」と、土台を育てる指導を紹介してきました。
今回からは、教科の学習につなげる指導へ。
第1弾は「音読」です。

あなたが指導している子の中に、こんな子はいませんか?

  • 一文字ずつの拾い読みになる(「つ…くえ」など)
  • 行を飛ばす・同じ行をもう一度読む
  • 勝手に言葉を変えて読む(「わたしは」→「わたしが」)
  • 特殊音節(っ・ゃ・ゅ・ょ)で詰まる
  • 音読はある程度できるのに、内容が頭に残っていない
  • 「音読の宿題を嫌がる」と保護者から聞く
  • 「小さい頃から本を読まなかった」と保護者から聞く

「練習が足りないのかな」「やる気の問題かな」。
そう見えてしまいがちなんですよね。
でも、その背景に「読みの力の弱さ」が隠れていることがあるんです。

本記事を読むことで、

通級で「音読」をどう指導するのか? たくさん読ませる前にやること

が分かります。

結論から言うと、音読の指導は1回3〜5分、教材を難易度の低い順に用意して、「その子の今」に合うレベルから始めます
読みの困難さが強い子なら、音読のパーツを2つ3つに分けて、目の運動と組み合わせることもあります。
やみくもに、たくさん読ませることはしません。
絶対に、しない。

では、内容に入っていきましょう!

なぜ「音読」?──読みは全教科の入口だから

音読というと、まぁ普通に考えたら、国語の話に思いますよね。
でも、考えてみてください。

  • 算数の文章題を読む
  • テストの問題文を読む
  • プリントの指示文を読む
  • 社会の資料、理科の説明…

全部、「読み」です。
読みの力が育つと、プリントを自分で解けるようになるし、テストの点数も上がっていきます
読みは、全教科の入口なんです。
だって、今あなたはこの文字を・文を・文章を読んでますよね?
読めない状態で、意味を理解できます?
…無理だよね笑?
読めないし、意味は理解できない・しにくいんです。

そしてもう1つ、大事なこと。
読みの土台がない・低い状態で、ごりごり練習させても伸びにくいです。
それどころか、本人は辛い。
だから「たくさん読ませる」の前に、やることがあるんです。

まず「見極める」──三段構え+「ん?」という違和感

アセスメントは、いつもの三段構えです。

  1. 聞き取り:通級を開始するにあたって、保護者と面談すると思います。
    その時に保護者から「小さい頃から本を読まない」等の情報を聞きとります。
    担任にも音読の様子を確認します。
  2. 行動観察:学級での音読の様子を見に行きます。
  3. 通級で実際に:普段は私が読むような問題文を本人に読ませてみて、様子を観察します。

加えて、私が大事にしているのがもう1つ。
指導中に問題文を読ませてみた時の「ん?」という違和感です。
算数のプリントでも、指示文でも。
「あれ? 何か変な読みだな」を大事にします。

STRAW-R(※ストローアールと読みます)やURAWSS-Ⅱ(※ウラウスツーと読みます)といった読み書きの検査結果があるなら、もちろんそれも参考にします。

使っている教材──難易度の低い順に4段階+α

① ことばのかくれんぼ

文字の羅列の中から、意味のある単語を素早く見つけて、○で囲む課題です。
文字列の横にイラストがあるものもあって、見つけやすくなっています。

この教材の中にある「ことばのかくれんぼ」という課題を使っています。

② MIMのカード──特殊音節を素早く正確に

似た単語の中から、正しい単語を素早く正確に選択して、指さして、読み上げる課題です。

多層指導モデルMIM「読みのアセスメント・指導パッケージ」(学研公式サイト)

たとえば「はっけん」を、「はつけん」「はけん」「はっけん」の中からパッと選ぶ。
文や文章を読むということは、文字や単語・熟語を一瞬で見つけていく作業の連続。
だから、パッと見て見つける・読む指導が必須です。

③ 読みプリント──聞く→探す→囲む→読む

スマイル・プラネットというサイトの「ひらがな読みプリント」「漢字読みプリント」をよく使います。
無料でダウンロードできて、しかも国語の教科書の単元に対応しています。
めっちゃ使いやすい〜✨️
個人的には、神サイトです❤️

進め方はこうです。

  1. 私が単語を読み上げる(「よいしょ、さむかった、のこって…」)
  2. 「どうぞ」と言う
  3. 本人が探して、○で囲む
  4. できていることや素早さを褒める
  5. 終了後、○で囲んだ単語を私がランダムに指さす
  6. 本人が素早く読む

聞く→探す→囲む→読む。
1枚で読みにつながる力を何度も指導できる課題です。
読みの困難さが強めの子は2枚くらいから。
上達してくると、4〜5枚指導してもどんどん取り組めるようになります。

④ 教科書で実読・予習

ここまでが上手にできるようになったら、国語の教科書を使って、実際に読ませる指導に進みます。
ポイントは予習になっていること。
読みプリントが教科書の単元対応なので、「プリントで読んだ単語が、教科書に出てくる」わけです。

学級の音読で「読める」。
体育の先取り(実際の指導編⑤「運動」で書いたやり方)と、同じ発想です。

+α それでも難しければ──デイジー教科書で「見て聞く」

教科書を複数回読ませてみて、まだ難しそうだと判断したら、「デイジー教科書」を利用します。
教科書の内容を、音声と文字のハイライトで「見て聞ける」デジタル教科書です。
私は通級で、一緒に見ています。

デイジー教科書(日本障害者リハビリテーション協会)

無料で、申請制です。
通級で使用するなら、個人で申請できますよ。

進め方──1回3〜5分。実態によっては複数パーツに

時間は、1回3〜5分です。

読みの困難さが強い子であれば、こう組むこともあります。
音読①(ことばのかくれんぼ)、音読②(MIM)、音読③(読みプリント)と3つに分けて、さらに目の運動も指導する。
45分の半分程度を「読み」関連のパーツで構成するイメージですね。

ただし、回ごとに入れたり外したりはしません。
アセスメントで「必要」と判断したら、継続して指導します。
最低でも、学期中は継続します。

「3つの言葉」とのつながり──分けずに、組み合わせる

実際の指導編④(目の運動プリント編)で、「3つの言葉」というプリントを紹介しました。
文字の並びから単語を見つけて読み上げる内容です。

「今回の音読指導と、どう違うの?」
と思われたかもしれません。
私は、明確には分けていません。
「3つの言葉」も音読に近い課題なので、組み合わせて使っています。

シリーズ1本目で書いた「組み合わせて・並行して」。
見る力の指導が、そのまま音読の入口になる。
きれいに切り分けるより、つなげて使う方が、子どもは伸びます。

終了の目安

見ているのは、こんな変化です。

  • 教科書がスラスラ読める
  • 学級の音読で困らない
  • 読みプリントの枚数がこなせる
  • 「本読みの宿題を嫌がらなくなった」「上手に読めるようになった」と保護者から聞く

通級の中の変化と、学級・家庭での変化。
ここでも判断基準は「学級適応」です。
指導を続けると、こう変わっていきます。

  • 拾い読みが減って、単語のまとまりで読めるようになる
  • 特殊音節で詰まらなくなる
  • 読む速さが上がって、音読への抵抗が減る
  • 予習した単元は、学級の音読でも読める(これが自信になります)
  • テストの問題文やプリントの指示文も読めるようになる→プリントを自分で解ける・テストの点数が上がる

よくある質問(FAQ)

Q. 音読の指導は、高学年でもやりますか?

やります。
学年は問いません。
その子の実態によります
これまでずーーーーーーーーーーーっと言い続けている通りです。

Q. 「音読の宿題をたくさん出せば伸びる」という考えは、どうですか?

伸びにくいです。
スラスラ読むための土台の力がない・低い状態で、ごりごり練習させても伸びにくい。
何より、本人は辛いと思います。
まず土台。
それから量です。

Q. 漢字の読みが苦手な子には?

スマイル・プラネットの「漢字読みプリント」を使います。
実態にはよりますが、大体、ひらがな読みプリントと組み合わせて使っています。

まとめ

  • 音読の指導は1回3〜5分。
    たくさん読ませる前に、読みの土台を育てる
  • 教材は難易度の低い順に。ことばのかくれんぼ→MIM→読みプリント→教科書で実読・予習
    難しければデイジー教科書
  • アセスメントは三段構え+指導中の「ん?」という違和感。
    検査結果(STRAW-R・URAWSS-Ⅱ)があれば参考に
  • 読みは全教科の入口。
    プリントを自分で解ける・テストの点数が上がるにつながる

読みで困っている子は、教室にたくさんいます。
「たくさん読みなさい」で伸びるなら、もう伸びています笑
それなら我々通級担当は苦労しねーよ笑‼️

大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊

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