こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂
最近ね、嬉しいことがあります✨️
この「通級ラボ」のブログを見てくれる人が増えてるんです。
とは言っても、1日◯人とかのレベルですが…。
見る人が見たら「しょっぼっ!」とか、「それで嬉しいって…マジ可哀想…」とか思われると思います😅
だけど。
私にとっては嬉しいんです。
通級担当に向けたブログだし内容だから、多くの人に刺さる・役に立てるとは思っていない。
だけど、あなたには届く。
そう信じて書いているので。
少しでもあなたの役に立てていたら嬉しく思います🙂
さて、VSI編①ではVSI(視空間)の基本的な考え方を、VSI編②では「積木模様」が低い子への指導をお話しました。
今回は、VSI(視空間)のもう1つの下位検査、「パズル」が低い子への通級指導についてお話します。
「パズルが低いって分かったけど…だから何をすればいいの…???」
って思いますよね。
大丈夫。
この記事を読むことで、
「パズル」が低い子に、通級でどんな指導をすればいいのか?
が分かります。
結論から言うと、「パズル」で測られている力は、”図形やイラストなどの情報を瞬時に正確に読み取る力”。
ここが低い子は、教科書の図・地図・グラフなどから情報を読み取ることに苦しさを抱えやすいです。
この記事では、パズルの弱さが学級でどう現れるのか、指導前に何を確認するのか、通級でどう指導を組み立てるのかを解説します。(オススメ教材の詳細はVSI編⑤をご覧ください)
「パズル」って、どんな力?
「パズル」を一言で言うなら、
図形やイラストなどの情報を、瞬時に正確に読み取る力
です。
でも、検査の内容や測っている力を正確に知ることは教員には必要ないと考えています。
だって、専門領域が違うんだから。
検査やその所見などは心理士の業務。
私たち教員や通級担当は、検査や所見を活かして、目の前のその子の学級適応を高める。
これが業務ですから。
こう考えると、やはり大事なのは、
(「パズル」で測っている)この力が、学校生活の何を支えているのか?
です。
学校の学習は、文字だけでできていません。
教科書の図、地図帳、資料集、グラフ、イラスト解説…。
視覚的な情報を「パッと見て、正確に読み取る」場面だらけです。
「パズル」が低い=視覚情報を頭の中で組み立てるのが苦手=図や資料の読み取りに困りが出やすい、というわけです☝️
「積木模様」との違いは?
- 積木模様:形を分解して、再現する力(手を動かして作る→書字を支える)
- パズル:断片から全体を補い、読み取る力(頭の中で完成形をイメージする→図や資料の読み取りを支える)
積木模様が低い子には「再現する」指導、パズルが低い子には「イメージして読み取る」指導。
積木模様が低い子への指導はVSI編②で解説しています。
学級では、どんな困りとして現れる?
パズルの弱さは、学級ではこんな「読み取りの困り」として現れます。
- 教科書や地図帳、資料集などに載っている情報を素早く見つけられない。見当違いな内容を探してしまう
- 算数などで、イラスト解説を見ても理解が深まらない
- 板書を書き写す(ノートテイクする)ときに、マスに収めるのが難しい
- 罫線がない白紙に書くと、ぐちゃぐちゃになったり、行がどんどん曲がったりする
- 折り紙や工作などの作業が、ぐちゃぐちゃになりやすい
「地図帳から地名を探すのにすごく時間がかかる」「グラフ問題だけ極端に落とす」…学級担任からすると「ちゃんと見なさい!」と言いたくなる場面です。
でも、違うんですよ。
視覚情報を読み取る力そのものが弱いから、「ちゃんと見て」も読み取れない。
ここを理解しているかどうかで、その子への関わりが180度変わります。
通級の指導場面では、こんな様子
通級でパズル系の課題(重なり図形など)に取り組ませると、こんな様子が見られます。
- 「ん?」「ん、ん?」「難しい…」とつぶやく
- 「ここをこう折るから…えっと、こうなって…」と言いながら、実際に手振りをする
- 難易度が上がってくると「分からない」と言う
特に注目してほしいのが、2つ目の手振り。
頭の中だけで図形を動かせないから、体の動きで補おうとしているんです。
これ、できないことの表れではなく、その子なりに一生懸命イメージしようとしている姿なんですよね。
指導の前に、必ずやること【3つ】
数値だけ見て指導を始めるのはオススメしません。
これまでもオススメしたことは全くありません。
私が指導前に必ずやることは、VSI編②と同じく、この3つです。
①担任の先生と話す
担任が何に困っているのかを聞きます。
通級での指導の目的は「学級適応」。
学級で何が起きているかを知らないと始まりません。
②成果物を継続して見せてもらう
パズルが低い子の場合、特に見るのはこのあたりです。
- 算数の図形単元のプリントやテスト:課題や成長している点を確認する
- 社会のテスト:地図や資料から適切に選択・解答できているかを確認する
- 理科のテスト・プリント:温度の変化などの折れ線グラフや、メスシリンダーの読み取りが正確かを確認する
「読み取りの困り」は教科を横断して現れます。
1教科だけでなく、複数教科の成果物を見ると、その子の苦手のパターンが見えてきます。
③本人の行動観察をする
可能であれば、いろいろな教科で行動観察をします。
教科書や資料集を開いてから目的の情報にたどり着くまでの様子、図を使った説明を聞いているときの表情などが手がかりになります。
通級での実際の指導
何から始める?→低学年なら「ステップタングラム」
一概には言えませんが、低学年であればステップタングラムから始めます。
理由はシンプルで、具体的な操作だから。
実物のピースを手で動かして「ハマった!」を体験できる。頭の中でのイメージがまだ難しい子も、手を動かしながら図形に親しめます。
プリント教材(重なり図形・折り重なり図形)に進む場合は、難易度が一番低いものから。
ここはVSI編②でお話した「実態より低い難易度から始める」と同じ考え方です。
その子が「簡単簡単!」と主体的に取り組める状態を作ることが、何よりも大事。
(ステップタングラムをはじめ、教材の詳細はVSI編⑤で紹介しています)
実物からプリントへ、いつ進める?
ステップタングラムから重なり図形などのプリント課題へ進めるタイミング。
私の判断基準は2つです。
- ステップタングラムの課題を2周やってみて、試行錯誤の頻度が減ってきたら
- 「こうかな?」「ん?」みたいな言葉が出なくなってきたら
時間と声かけは、積木模様のときと同じ
1回の指導でこの課題に充てる時間は3〜5分くらい(その子によります。正解はありません)。
声かけもVSI編②と同じで、「すご〜!」「これもできるかな???」「賢いね〜」などと流れを切らさないことを意識しています。
担任・保護者には、どう伝える?
パズルの苦手さも、「視空間が低くて…」では伝わりません笑
私は教科のテスト・プリントという実物で伝えています。
- 算数の図形単元のプリントやテストを一緒に見て、課題や成長している点を確認する
- 社会のテストで、地図や資料から適切に選択・解答できているかを確認する
- 理科の折れ線グラフやメスシリンダーの読み取りが正確になってきているかを確認する
担任も保護者も、テストやプリントは毎週のように目にしています。
だから実物ベースの説明は「あ、たしかに!」と腑に落ちやすいんです。
変化が見えにくくても、大丈夫
でも、正直に事実を伝えなければいけません。
パズルが低い子への指導は
学級での変化が見えにくい
です。
書字のように「連絡帳の字がきれいになった」という分かりやすい変化が出にくい。
変化が出たとしても、時間がかかる。
だから「こんな指導を通級でしても意味あるの?」と周りに思われているかもしれないし、自分でもそう思ってしまう時期があります。(もちろん、私もありました💦)
でも。
学級で目に見える変化が少なくても、通級での試行錯誤の頻度が減ったり、正答までの時間が減ったりしてくれば、本人の力は間違いなく高まっています。
週1回の頻度であれば、半年くらい継続して指導すれば変化は見えてきますから。
指導を信じて、コツコツやりましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. WISCの「パズル」が低い子は、どんなことに困りますか?
図形やイラストなどの視覚情報を瞬時に正確に読み取る力が弱いため、教科書・地図帳・資料集から情報を素早く見つけられない、イラスト解説を見ても理解が深まらない、グラフやメスシリンダーの読み取りを間違える、などの形で現れます。
Q. パズルが低い子への通級指導は何から始めればいいですか?
低学年であればステップタングラムなどの具体的な操作から始めるのがオススメです。
プリント教材(重なり図形・折り重なり図形)に進む場合は、難易度が一番低いものから。
「簡単簡単!」と主体的に取り組める状態を作ることが一番のポイントです。
Q. 「積木模様」と「パズル」はどう違いますか?
どちらもVSI(視空間)の下位検査ですが、積木模様は「形を分解して再現する力」(書字につながる)、パズルは「断片から全体を補い、読み取る力」(図や資料の読み取りにつながる)です。
どちらが低いかによって、通級でのアプローチが変わります。
まとめ
今回は、VSI(視空間)の「パズル」が低い子への通級指導の考え方をお話しました。
パズルが低い=図形やイラストなどの情報を瞬時に正確に読み取る力が弱い。
だから、地図帳・資料集・グラフの読み取りといった「読み取りの困り」として学級に現れます。
指導の流れは、
担任と話す→複数教科の成果物を見る→行動観察→低学年ならステップタングラム(具体操作)から→重なり図形は最低難易度から→試行錯誤と独り言が減ったらステップアップ。
そして、学級での変化が見えにくくても、焦らない。
試行錯誤の頻度と正答までの時間が、その子の成長を教えてくれます。
具体的にどんな教材を使えばいいのか?
それはVSI編⑤で、オススメ教材を紹介しています‼️
大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊
📚 関連記事
- 考え方に戻る →「VSIが低い子への通級指導【前編・基本方針】」
- 積木模様の指導アプローチ →「WISC:VSIの「積木模様」が低い子への通級指導【VSI編②】」
- パズルのオススメ教材 →「WISC:VSIの「パズル」が低い子への通級指導【VSI編⑤】」
- 言語理解(VCI)が低い子へ →「WISC:VCI(言語理解)が低い子への通級指導|基本的な考え方と方針【VCI編①】」
- 筆者について →「プロフィール」



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