こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂
【WMI編①】では、WMI(ワーキングメモリー)が低い子への基本方針を、【WMI編②】では、「数唱」が低い子への具体的な指導をお話ししてきました。
今回は、その指導で私が実際に使っている教材を紹介します。
「結局、何を使えばいいの?」
が知れると嬉しいですよね☝️
本記事を読むことで、
数唱(聴覚的なワーキングメモリー)が低い子に、私が実際に使っている2つの教材と、その選び方・使い方・子どもの変化
が分かります。
結論から言うと、私は「聞きとりワークシート」と「きくきくドリル」の2つを使っています。
どちらも「聞く→覚える→作業する」を、注意(選択・持続・配分・転導)のどれに効かせるかを考えながら選ぶ教材です。
本記事では、この2つを「どんな子に・どう使い、どこが良くてどこが惜しいか」まで、お伝えします。
では、内容に入っていきましょう!
教材① 聞きとりワークシート(かもがわ出版)
プリントを1枚置く。
私は何も言わず、問題文を読み上げ始める。
すると子どもの注意が、すっと私の声に向きます。
どんな教材か
正式名称は「ワーキングメモリーとコミュニケーションの基礎を育てる 聞きとりワークシート」(LD発達相談センターかながわ・著/かもがわ出版)。
長いね…😅
タイトルに「ワーキングメモリー」と入っているとおり、今回のテーマど真ん中の教材です。
全3巻あります。
- ①言われたことをよく聞こう編(全76問)
- ②大事なところを聞きとろう編(全90問)
- ③イメージして聞こう編(全82問)
なぜこれを選んだか
残念ながら、消去法です💦
ワーキングメモリーの困りに、これといって他に優れた教材が見当たらなかったのです。
逆に言えば、良い教材だから手元に残り、使いやすいから続けている。
ずーっと使っています。
そういう一冊です。
気に入っているのは、注意の選択・持続・配分・転導に対応する内容がそろっていること。
「この子は最後まで聞き続けるのがしんどいな」と思えば、そこに効く問題を選べます。
だから指導の的が絞りやすいんです。
指導を続けることで、先生の指示や説明を聞き続けながら作業することができるようになっていきます。
使い方
通級での流れはシンプルです。
- プリントを提示する
- 私が問題文・教示を読み上げる
- 子どもが聞く
- 子どもが取りかかる
- 丸つけ・フィードバック(1問ごとに返す課題なら都度、10問まとめての課題ならまとめて)
意識しているのは3つです。
- メモは原則させません。
学級では基本メモを取らない場面が多いし、メモは「面倒なこと」。
自分に良いと分かっていても、面倒は続きません。
だからメモが前提の課題以外は、メモなしでやらせています。 - 半分くらい間違える難易度なら、次回からは使いません。
難易度を下げる、別の問題に変える。
合っていない教材を粘っても、子どもにとって良いことは少ないからです。 - 私は、わりと黙っています。
本人の注意を、私の表情やしぐさではなく、音声そのものに向けてほしいからです。
子どもの変化
最初は、聞いている途中で「え?」、聞き終わって「何やったっけ?」。
それが続けるうちに、黙ったまま、最後まで取り組み続けられる時間が伸びていきます😊
正答も増えてきます。
ただ、ここから先は正直に保留させてください。
この変化が、学級や家庭の「聞く」にそのまま移っていくか――効果の転移は、私は言い切れません。
学級では「黙って座れている」「作業が進んでいる」という形で語られることはありますが、「聞けるようになった」の中身を断言するのは、今もいちばん難しいところです。
正直に言うと
ワーキングメモリーそのものを高めるのは難しい、という意見や研究もあります。
その伸びは、通級担当も学級担任も、数字では実感しづらいのが本当のところじゃないかなぁと思う。
それでも本人に対しては、できたところを具体的に返していくので「できるようになっている」と感じてもらえます。
その「できた」が、次に聞こうとする構えをつくります。
あと一つ惜しいのは、シリーズが3巻しかないこと。
良い教材なので、もっと巻数がほしいと思っています。
新しいの、出ないかな〜笑
教材② きくきくドリル(文英堂・シグマベスト)
どんな教材か
「きくきくドリル」(村上裕成・和田秀樹/文英堂・シグマベスト)は、「聞く力」を楽しく育てることをねらった市販ドリルです。
新しい版はSTEP1(はじめて編)/STEP2(入学準備・基礎編)/STEP3(入学準備・発展編)の構成になっています。
なぜこれを選んだか
選んだ理由は、基本的には①と同じで「聞いて・覚えて・作業する」を育てたいからです。
その上で、この教材ならではの良さが2つあります。
1つは、音声をスマホで再生できて、速度は3段階選べること。
読み上げを教材に任せられるので、私は子どもの様子を見ることに集中できます。
もう1つは、「聞きながら作業する」=注意の配分を高めやすいと感じる点。
①よりも、この配分の部分にぐっと効いてくる印象があります。
使い方
使い方は①とほぼ同じ流れですが、手間が楽です。
アプリを起動するだけなので。
①は本を忘れると指導できませんが、こちらはスマホさえあればできる!
急に予定が変わっても対応しやすいのは、現場ではありがたい差です😁
2つの使い分け
迷ったときの、私のざっくりした分け方です。
- 「きくきくドリル」
音声をスマホで再生でき、速度も3段階。
イラストが親しみやすく、スマホひとつで始められる手軽さが魅力。
「聞きながら手を動かす(注意の配分)」を伸ばしたいときに。 - 「聞きとりワークシート」
注意の選択・持続・配分・転導を段階的に扱える。
学校生活の「指示を聞いて動く」を伸ばしたいときに。
どちらも「聞いて・覚えて・作業する」を育てる教材です。
その日の子どもの様子と、道具立て(本があるか/スマホが使えるか)で選んでいます。
よくある質問(FAQ)
Q. 市販のドリルで、本当にワーキングメモリーは伸びますか?
正直に言うと、ワーキングメモリーそのものが大きく伸びるかは研究でも議論があります。
私が断言できるのは、「聞く構え」や「できた」という感覚を育てられることまで。
これは間違いなく高められます。断言できる。
そこを土台に、学校生活で困りにくくするという使い方をしています。
Q. 数唱が弱い子に、いきなりこの教材で大丈夫ですか?
まずは1回やってみて、半分くらい間違えるなら難易度を下げます。
合っていない教材を粘らないことが、結局その子のためになります。
目の前のその子の実態に応じる。
ここでも鉄則を思い出しましょう☝️
Q. 家庭でもできますか?
できます。
が、オススメはしません。
親子関係で「学習」はなかなか成立しにくいから。
お互いイライラしたり子どもが怒られたりして、学習が「楽しくない」となりがちです。
なので、私はオススメしません。
まとめ
WISC:WMIの「数唱」につながる教材を、私は2つを使い分けています。
- 「聞きとりワークシート」(かもがわ出版)…注意の選択・持続・配分・転導を段階的に
- 「きくきくドリル」(文英堂・シグマベスト)…音声をスマホで再生でき、速度も3段階。身軽に始められる
「苦手をできるようになりたい」。
この思いは、通級に学びに来る子たちは誰もが持っています。
その子の意欲や思いから、通級担当は逃げてはいけません。
正面から受け止めて、できるようにしていく。
それが私の考える専門性です。
伸びにくいと言われる力でも、子どもの「やりたい」に本気で付き合う。
そこは、ぶれずに今日も指導します💪
次回【WMI編④】(近日公開予定)では、もう一つのワーキングメモリー、「絵のスパン」が低い子への指導を紹介します。
大丈夫!一緒に頑張っていきましょう😊
📚 関連記事
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