WISC:WMI(ワーキングメモリー)が低い子への通級指導|「数唱」が低い子への指導【WMI編②】

WISCを活かした指導

こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂

通級ラボで書き始めて約10ヶ月。
何を・どんな風に書けばいいのか分からず、試行錯誤。
その後、しばらく書く気が起きない期間が続きました。が…。
最近はスイッチが入ってて、「書きたいな」「書かないとな」みたいなモードになってます笑
自分の中に書きたい物が溜まっていたり、それを外に出して伝えたりと思えたり。
そういう自分に出会えたり発見できたりすることは、純粋に嬉しいですね✨

さて、【WMI編①】では、WMI(ワーキングメモリー)が低い子への基本方針である「作業する机の広さ」という捉え方、数唱(聴覚)と絵のスパン(視覚)で分けて考えること、「通級で高める×学級で支える」の両輪、についてお話ししました。

今回はその一つ目、「数唱」が低い子への具体的な指導に入ります。
数唱は、耳で聞いた情報を覚えて操作する力
ここが弱い子は、①でお話しした「注意」(選択・持続・配分・転導)の困りが教室で現れやすいです。

本記事を読むことで、

「数唱」(聴覚的なワーキングメモリー)が低い子に、通級でどんな指導をすればいいのか?

が分かります。

結論から言うと、私は「聞きとりワークシート」と「きくきくドリル」を使い、「聞く→覚える→作業する」を、注意(選択・持続・配分・転導)のどれに効かせるかを考えながら難易度を調整して取り組ませることが大事です。
ただし正直に言うと、通級では伸びても、学級での般化は見えにくいのが現実。
悔しいっ😣
だからこそ、通級での指導と、学級での支援を両輪で進めることが大事なのです。

では、内容に入っていきましょう!

「数唱」が低い子に、私が使っているのはこの2つです。

  • 聞きとりワークシート(かもがわ出版/NPOフトゥーロ LD発達相談センターかながわ 編)
    「①言われたことをよく聞こう編」「②大事なところを聞きとろう編」「③イメージして聞こう編」のシリーズ。
  • きくきくドリル(文英堂・シグマベスト)
    STEP1〜3に分かれ、QRコードで音声を再生できます。

どちらもシリーズになっているので、その子の実態に合わせて内容をチョイスします。
(教材そのものの詳しい紹介は、次回【WMI編③】(近日公開予定)でお話しします。ここでは指導の進め方を中心に)

きくきくドリルの場合、基本の流れはこんな感じ☝️

  1. QRコードを読み取って音声をダウンロードする(※事前に準備)
  2. 難易度を「低→中→高」と組み合わせて選び、印刷する
  3. 1回に2〜3枚、時間にして5〜10分程度指導する(※その子の実態によります)
  4. スマホで音声を再生する(※改訂版の前はCDで再生してて💦 デッキを持ち運ぶの、めんどくさかったな〜笑)
  5. 丸つけは課題による(1枚終わったら/1問終わったら、など)

短く、毎回同じリズムで。
子どもの「簡単簡単!」から入って、少しずつ負荷を上げていくイメージです。
聞きとりワークシートも、基本の進め方は同じです。ただ音声がないので、その場合は自分で読み上げます。

この指導の肝。

注意のどこに指導・アプローチするのか?

注意には、4つの種類があります。

  • 選択:たくさんの音や物の中から、「今はこれ」という必要な情報だけに注意を向ける力。
    これが弱いと、先生が話し始めても“そもそも聞けていない”。
    窓の外・手元の物・別の音に注意が流れてしまう。
     →一言で言うなら、「どれに注目するかを選ぶ力」
  • 持続:一つのことに、注意を向け“続ける”力。
    これが弱いと、呼名されたその瞬間は聞けるけれど、長くは続かずすぐ逸れてしまう。
     →一言で言うなら、「注目し続ける力」
  • 配分:同時に2つ以上のことへ、注意を“配る”力。
    これが弱いと、話を聞きながらノートに書く、作業しながら次の指示も受け取る、が難しい。
    一方に集中すると、もう一方が抜ける。
     →一言で言うなら、「“ながら”で注意を分ける力」
  • 転導:注意を、次の対象へ“切り替える”力。
    これが弱いと、聞く→書く→黒板を見る→また聞く…と活動が切り替わるたびに置いていかれ、途中でぼーっとする。
     →一言で言うなら、「注目先を切り替える力」

こういう知識がないと、「あの子ってほんと話聞けないよね〜」「あの子、集中力ないわ〜」という一言で終了してしまいます。
集中力がない→何で?→注意のどの部分に課題があるのだろう?→観察してみよう→4つの視点で教材を選んでみよう→指導してみよう→指導しながら難易度を調整してみよう、という思考・行動ができるのが通級担当です。
この見立てができるかどうかで、選ぶ一枚が変わります。

ざっくりした目安として、私はこんな印象を持っています(あくまで傾向です)。

  • 注意の選択・持続 … 低学年が多い
  • 注意の配分(聞きながら作業する課題) … 中学年くらいが多い
  • 注意の転導 … 中学年〜高学年

ただし、最後に言うことはいつも同じ。
目の前のその子の実態によります。
学年で決めつけず、その子に合う一枚を選びましょうね。

通級という「学習に取り組みやすい環境」であれば、こんな変化が見られます。

  • 取り組める量が増える
  • 黙って取り組み続けられるようになる
  • 覚えられる量が増える
  • 難易度が高くなっても取り組めるようになる

でも…。
学級で目に見える変化、と言われるとなかなか見えにくいのが現実です。

【WMI編①】でもお話ししたとおり、WMIそのものを大きく伸ばすのは難しい(ようです)。
だからこそ、通級で「高める」だけで終わらせず、学級で「支える」を並行する。
この両輪が欠かせないんです。

この「通級では伸びるが、学級での般化は見えにくい」という現実は、担任にも保護者にも私は正直に伝えています。
そのうえで、こう続けます。

学級では、こういう支援ができます
担任の〇〇先生は、△△という支援をされていますよ

と。
【WMI編①】で挙げた学級でできる支援や、学級担任が実際にやってくれている具体的な配慮を、合わせて共有するんです。(※いつ・どんな風に共有しているのかは、今後「面談」シリーズみたいな特集でお伝えしていく予定です)

通級で高め、学級で支える。
この両輪が同じ方向を向くほど、その子の学校生活はラクになります。

Q. 「数唱」が低い子には、どんな教材を使いますか?

「聞きとりワークシート」(かもがわ出版)と「きくきくドリル」(文英堂・シグマベスト)を使っています。
どちらもシリーズで、その子の実態に合わせて内容を選びます。
きくきくドリルについては、音声をダウンロードしてスマホで再生できます。

Q. 効果は出やすいですか?

正直なところ、通級(学習に取り組みやすい環境)では「量が増える・続けられる・覚えられる量が増える・難易度が上がっても取り組める」といった変化が見られます。
ただし、学級での目に見える般化は見えにくいのが現実です。
だからこそ学級での支援と両輪で進めます。

Q. 何年生向けですか?

傾向として、注意の選択・持続は低学年、配分は中学年、転導は中学年〜高学年に合う課題が多い印象です。
ただし最終的には、その子の実態に合わせて選びます。

  • 使う教材は「聞きとりワークシート」「きくきくドリル」(どちらもシリーズ)
  • 進め方は難易度を低→中→高で組み合わせ、1回2〜3枚・5〜10分
  • 課題は「注意のどれに効かせるか」を考えて選ぶ
  • 通級では変化が見える。でも学級での般化は見えにくい。だから学級支援と両輪
  • この現実は担任・保護者に正直に伝え、学級の支援と合わせて共有する

次回【WMI編③】(近日公開予定)では、この指導で使っている教材(聞きとりワークシート・きくきくドリル)を、もう少し詳しく紹介します。

大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊

コメント

タイトルとURLをコピーしました