通級の「言葉のきまり」の指導|特殊音節(促音・拗音など)【実際の指導編⑧】

こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂

実際の指導編、前回の実際の指導編⑦「音読」でした。
今回は「言葉のきまり」。
テーマを絞ると、特殊音節(※促音「っ」・拗音「ゃ・ゅ・ょ」・長音「ー」など)の指導です。

あなたが指導している子の中に、こんな子はいませんか?

  • 「がっこう」を「がこう」と書く・読む(促音がぬける)
  • 「おかあさん」を「おかさん」に(長音がぬける)
  • 「きゅうしょく」が「きゅしょく」「きうしょく」に(拗音・拗長音)
  • 「しゃっくり」が「しゃくり」に(拗促音)
  • 小さい「っ」「ゃ」「ゅ」「ょ」を、どこに入れるか迷う
  • 音読で、特殊音節のところで詰まる

「うっかりさんだな」「そのうち直るだろう」。
特に保護者はそう思いがち。
でも、要注意。
特殊音節の確実な理解・定着はめっちゃ重要‼️
なぜなら、読み書きの土台だから。

本記事を読むことで、

通級で「言葉のきまり(特殊音節)」を、どう見極めて、どう指導するのか?

が分かります。

結論から言うと、私は特殊音節の指導に絞って指導しています。
教材は2つだけ。
難易度の低い順に、基礎のワーク→支援のワークと進めます。
手立ては「音を区切る」。
「っ」だけグー、あとは全部、手拍子です。
どういうこと??
具体的にどうやるの??
というあなたの顔が浮かんできます😅

では、内容に入っていきましょう!

「音読」の指導と、どう違う?──目的が違う

前回の実際の指導編⑦「音読」を読んでいるあなたにとっては、近い指導に思えるかもしれません。
どちらも、文字や言葉にかかわりますから。
でも、目的が、明確に違います。

  • 音読の指導=文字・単語を、素早く正確に見つけて「読む」こと
  • 言葉のきまりの指導=特殊音節を「理解」し、読み書きすること

音読では、「っ」や「ー」も、読めればそれでいい。
でも言葉のきまりでは、「っ」がどこに入るのか、「ゃ」なのか「ゅ」なのかを確実に理解できないといけない。
目的が違うから、教材も、見るポイントも変わる。
(ただ、きれいに切り分けるより、組み合わせて使うこともあります。実際の指導編①「組み合わせて・並行して」で書いた通りです)

なぜ「特殊音節」?──読み書きのつまずきの、ど真ん中

特殊音節は、日本語の読み書きで、最初につまずく代表。
考えてみてください。
ひらがなを1文字ずつは読める・書けるのに、「がっこう」「きゅうしょく」でつまずく子。
いますよね、教室に。
絶対に。
1音1文字が、きれいに対応しない。
それが特殊音節です。
促音「っ」、拗音「ゃ・ゅ・ょ」、長音「ー」など。
ここでつまずくと、書き間違いが減らない。
音読も引っかかる。
となると、意味理解も難しい。

逆に、特殊音節が「分かった」となると、読み書きがぐっと安定します。
学級のノートや聴写、音読が楽になっていく。
だから、通級で重点的に指導する必要があります。

まず「見極める」──三段構え+聴写テスト

アセスメントは、いつもの三段構えです。

  1. 聞き取り:開始面談で保護者に。担任にも、書字や聴写の様子を確認します。
  2. 行動観察:学級での、ノートや書き取りの様子を見に行きます。
  3. 通級で実際に:読ませたり、書かせたりして、様子を観察します。

そして、この単元でとくに使うのが「聴写テスト」。
支援のワークに付いている「ひらがな単語聴写テスト」を、指導の初回か2回目に、アセスメントを兼ねてやります。
明らかに特殊音節や読み書きに困難がなさそうな子は、省きます。
でも、少しでも疑いがあれば、必ず見立てる。
(指導前の状態を把握していないと、伸びを実感できませんからね。実際の指導編⑤「運動」でも書いた通りです)

使っている教材──2冊で完結

使うのは、市販のワーク2冊だけ。
これで完結します。ほんと、優秀な教材です。
難易度の低い順に、基礎→支援と進めます。

① 基礎のワーク──音韻の「基礎の基礎」

音を取り出す→最初の音は何?→促音→長音→拗音…と、特殊音節を段階的に理解していくプリントが入っています。
まさに、土台の土台。
ここが定着してから、次に進みます。
10年間、ずーーーーーーーーーーーーーーーっと使ってます。
そのくらい優秀な教材ということです。

② 支援のワーク──特殊音節の「部分だけ」使う

特殊音節の理解をより高めるための教材です。
「基礎」が完全に定着したら、この教材に進みます。
この本には「わ/は」「え/へ」の使い分けや、文を直す課題、漢字の課題も入っています。
が。
そこは「言葉のきまり」では指導しません。
特殊音節に特化して使っています。

どう「分からせる」?──音を、体で区切る

プリントを解かせるだけ、ではありません。
特殊音節を、体で感じさせます

やり方は、手拍子。
言葉を、音の数だけ、手拍子で区切ります。
「り・ん・ご」なら、3回。
MIMで紹介されている指導ですね。

そして、促音「っ」のところだけグーにします。

  • ふつうの音=手拍子(ぱん)
  • 促音「っ」=グー(ぎゅっ)

「がっこう」なら、「が・(グー)・こ・う」。
「っ」のところに一拍あることを、手で体感させるわけです。

ここで、私なりの工夫を1つ。
長音や拗音では、グーはやりません。
全部、手拍子です。

MIMでは、長音や拗音にも、それぞれ合った手の動かし方があります。
でも、いろいろ試した結果、私はグー(促音)だけを取り入れて、あとは手拍子に統一しています。
なぜか?
長音はこの動き、拗音はこの動き…と、音ごとに違う動きを覚えること自体が、記憶の負荷になる。
覚えるのめんどくさいんですよ、子どもにとって笑
だから、肝心の「特殊音節の理解」から、気がそれてしまうんですね。
それより、手拍子でシンプルに区切るほうが、子どもの理解も定着も、確実でした。
これが10年以上の経験から出てきた実感です。

指導時の声かけは、こんな感じ。

  • 「いいね〜!」
  • 「うまい!」
  • 「バッチリやね!」(※たまに関西弁が漏れます笑)
  • 「言うことなし!」

進め方──1回3〜10分、3〜6枚

時間は、1回3〜10分。
プリントは、1回に3〜6枚くらいです。

難易度の低い順に。
基礎のワークが定着したら、支援のワークへ。
そして、ほかの課題と組み合わせて、45分の中の1パーツとして入れます(実際の指導編②「45分の組み立て」の考え方です)。

回ごとに、入れたり外したりはしません。
アセスメントで「必要」と判断したら、継続して指導します。

終了の目安

見ているのは、こんな変化です。

  • 指導しているプリントで、誤答がなくなる・ほぼなくなる
  • 「っ」でグーが、悩まず確実にできるようになる
  • 聴写テストで、満点を取れる
  • 学級で、特殊音節の書き間違いや、迷うことがなくなる

前半2つは、通級の中での変化。
後半2つは、学級での変化です。
ここでも、判断基準は「学級適応」。
通級の中でできるようになることが、ゴールではありません。

よくある質問(FAQ)

Q. 「音読」の指導と、どう使い分けますか?

目的で分けます。
素早く正確に読むのが目的なら音読、特殊音節を理解させるのが目的なら言葉のきまり。
とはいえ、きれいに分けきらず、組み合わせて使うこともあります。
(そのあたりは、実際の指導編①「組み合わせて・並行して」と同じ考え方です)

Q. 「っ」以外の特殊音節にも、動作をつけますか?

つけません。
グーは、促音「っ」だけ。
あとは手拍子です。
いろいろ試した結果、動きを増やさないほうが、子どもの理解も定着も確実でした。
動作を覚えること自体が負担になっては、本末転倒ですからね。

Q. 高学年でもやりますか?

やります。
その子の実態によります。
特殊音節のつまずきは、学年が上がっても、書き間違いとして残り続けることがあるので。

まとめ

  • 言葉のきまりは、特殊音節(促音・拗音など)の理解に特化。1回3〜10分、3〜6枚
  • アセスメントは三段構え+聴写テスト。疑いがあれば、必ず見立てる
  • 教材は2冊。基礎のワーク→支援のワーク(特殊音節の部分だけ)で完結
  • 手立ては「音を区切る」。「っ」はグー、あとは手拍子。動きを増やしすぎない

特殊音節のつまずきは、教室でよく見かけます。
でも、見極めて、音を区切って、続けていけば、必ず変わっていきます。
ほんと、か・く・じ・つにできるようになります。
か・く・じ・つだよ笑
ほんとに😁

大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊

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