WISC:FRI(流動性推理)が低い子への通級指導|基本的な考え方と方針【FRI編①】

WISC:FRI(流動性推理)が低い子への通級指導|基本的な考え方と方針【FRI編①】 WISCを活かした指導

こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂

VSI(視空間)シリーズに続いて、今回からはFRI(流動性推理)が低い子への通級指導シリーズです。
最近、執筆作業に俄然やる気が湧いてて笑
自分の経験、自分の書いた内容がちょっとでも誰かの役に立っていると考えると嬉しいんですよね〜✨️
ほんとなら、稼ぎにつながれば一番なんだけど…🤣

さて。
「流動性推理…? 行列推理にバランス…? …???」
そう思うのも無理はありません。
正直に言うと、FRIはWISCの指標の中でも指導に落とし込むのが一番難しいと私は感じています。
だからこそ、このシリーズでは建前ではなく、私が実際にやっていることを正直にお話します。

この記事を読むことで、

FRI(流動性推理)が低い子に、通級でどんな指導をすればいいのか?【基本方針】

が分かります。

FRIを一言で言うなら、

一問一答や単純な計算ではなく、初めての問題や応用問題を解く力

です。

ポイントは「初めての」という部分。
VCI(言語理解)が「すでに知っていることを使う力」だとすれば、FRIはその逆
知らない問題を目の前にしたときに、「あ、こういう規則になってるな」と自分で見つけて解く力です。

FRIの下位検査は2つあります。

  • 行列推理:図形の並びから規則を見つける課題
  • バランス:天秤の釣り合いから数量の法則を見つける課題

でも、検査の内容や測っている力を正確に知ることは、教員には必要ないと考えています。
だって、専門領域が違うんだから。
検査やその所見などは心理士の業務。
私たち教員や通級担当は、検査や所見を活かして、目の前のその子の学級適応を高める。
これが業務ですから。
目的を見誤らないようにしましょう。

VSI編では「積木模様が低い→書字の指導」「パズルが低い→読み取りの指導」と、下位検査ごとに指導が分かれました。
でもFRIは、少なくとも私の実践では、「行列推理が低いからこの指導」「バランスが低いからこの指導」という対応が、まだ見つけられていません
私が見つけられていないだけかもしれませんが、現場の実感としては、下位検査別よりも目的別で組み立てる方が指導に落とし込みやすいです。

だからこのシリーズは、下位検査別ではなく目的別で組み立てます。

  • 教科学習につなげたい→FRI編②(指導)・③(教材)
  • 新奇場面・生活場面での行動につなげたい→FRI編④(指導)・⑤(教材)

1つだけ目安を言うなら、バランスが低い子は量的推論(数の力)の弱さに直結しやすいので、算数の困りが大きい場合は②③から読むのがオススメです。

FRIの弱さは、学級ではこんな困りとして現れます。

  • 算数で「きまりを見つける」場面の理解が難しい:九九の表からきまりを見つける、「○と△を使った式」、96×18を(100−4)×18と工夫して計算する、比例で規則を見つける…といった場面
  • テストの裏面に多い応用問題になると、とたんに点数が低くなる:表面の計算問題はできるのに、です
  • 高学年になり、委員会やクラブなどで経験していない役割を任されたときに、固まったり過度に緊張したりする

3つ目は補足が必要です。
「初めての場面で固まる」は、不安の強さや見通しの持ちにくさが背景のこともあるので、FRIの弱さ”だけ”が原因とは言い切れません。
ただ、FRIの弱さ背景にあり得る姿として、頭に置いておくと子どもの見え方が変わります。

FRI(特にバランス=量的推論)が低い子の答案には、典型的な間違い方があります。

  • 3+5のような単純な計算はできる。でも「一の位は○+3だから、十の位に▢くりあがって…」と仕組みを考える問題になると、当てずっぽうな数を書く
  • 数直線で、1目盛りが10なのに1と数えて間違える
  • 「百二十」を「10020」と書く

「計算はできるのに、数の仕組みになると崩れる」——担任の先生に伝えるときも、このパターンで答案を見てもらうと伝わりやすいです。

通級でFRI系の課題(規則を見つける系の課題)に取り組ませると、指導を始めた頃はこんな様子が見られます。

  • 明らかに、解答までの時間(潜時)が短い
  • 思考しないと正答できない課題なのに、パッと見て反射的にパッと解く

つまり、当てずっぽうです笑
でも、指導を続けるとだんだんと「思考してから解く」ようになっていきます
解答までの時間が伸びてくる——これが、この子たちの成長のサインです。

正直に言うと、FRIの困難さは、成果物からは見つけにくいです💦
VSI編では「複数教科のテスト・プリントを見る」ことが大きな柱でしたが、FRIの場合、私は次のことをやっています。

行列推理・バランスの数値と全体のバランスを確認します。

心理士の所見には、数値だけでは分からない検査時の様子や解釈が書かれています。
FRIの場合は特に、ここを何度も読み返します。

FRIの場合、「新奇場面でどう行動しているか」を尋ねることが多いです。
初めての課題、初めての活動、初めての役割。
そこでの様子が一番の手がかりになります。

成果物が役に立たないわけではありません。
テスト裏面の応用問題や、先ほどの「典型的な間違い方」は確認します。
ただ、FRIの場合は検査結果と所見の比重が、VSIのときより大きい——というのが私の実感です。

私のFRIの指導は、この3つの柱で組み立てています。

  • 規則発見系:ピグリの「系列」など→教科学習(きまりを見つける力)につなげる
  • 量的推論系:数処理・数概念(基数・序数)、5の合成・分解から兆までの大きな数の仕組みまでの算数指導→特にバランスが低い子に
  • 新奇場面系:SST絵カード(エスコアール)など→生活場面での適切な行動につなげる

それぞれの具体的な進め方と教材は、②③(教科学習)と④⑤(新奇場面)で詳しくお話します。

FRIの弱さも、「流動性推理が低くて…」では相手に伝わりません笑
私がやっているのは、この3つです。

  • 算数のテストの間違いを分析して解説する:「計算はできるのに、数の仕組みになると当てずっぽうになる」というパターンを、答案の実物で見てもらう
  • 学校での新奇場面や行事での行動を伝えて、「応用が難しい」ことを説明する
  • 家庭での困り感を聞き取り、行列推理やバランスの低さと関連付ける:保護者は「家でのあの困りごと」と検査結果がつながると、すっと腑に落ちます

最後に、FRIについて正直な話をします。

1つ目。
学級での変化が見えにくいです。
VSI編でも同じことを言いましたが、FRIはさらに見えにくい。
変化が出たとしても、時間がかかる。

2つ目。
担任の理解が得にくい可能性が高いです。
変化が見えにくいので、「通級で何をやってるの?」となりやすい。

3つ目。
これが一番正直な話ですが、このシリーズで紹介する指導内容そのものが妥当かどうか、私自身も迷いながらやっています
流動性推理は、それくらい指導に落とし込むのが難しい領域だと私は感じています。

それでも続けられるのは、見えるサインがあるからです。

  • 当てずっぽうだった子が、思考してから解くようになる(解答までの時間が伸びる)
  • 算数の効果は見えやすい。半年〜1年くらい継続して指導すると数概念の高まりが見られて、授業中やテストで妥当な解答をすることが増えてくる
  • 新奇場面でも、適切な行動が増える

系列の効果は、正直、測りにくいです。
ここは私自身の課題でもあります。
②③で詳しくお話します。

指導を信じて、コツコツやりましょう。

FRIの指導は下位検査別に分けにくいため、目的で選ぶのがオススメです。
教科学習(きまりを見つける力)につなげたい場合はFRI編②③、初めての場面での行動につなげたい場合はFRI編④⑤がオススメです。

バランスの低さは量的推論(数の力)の弱さに直結しやすいです。
算数の困りが大きい場合は、数処理・数概念の指導を扱うFRI編②③から読むのがオススメです。

初めての問題や応用問題を解く力が弱いため、算数の「きまりを見つける」場面、テスト裏面の応用問題、経験していない役割や初めての場面などで困りが現れやすいです。
一方、一問一答や単純な計算はできることが多いです。

今回は、FRI(流動性推理)が低い子への通級指導の基本方針をお話しました。

FRIが低い=初めての問題や応用問題を解く力が弱い
だから、きまりの発見・応用問題・新奇場面の困りとして現れます。

このシリーズは目的別の構成にする予定です。

FRIの指導は正直、難しいと思う。
私も迷いながらやっています。
いまだに。
でも、見えるサインはある。
一緒に頑張っていきましょう😊

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