こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂
前回の【PSI編①】では、PSI(処理速度)が低い子への基本方針である「PSIは「学習で必要な『作業する力』」で、通級で確実に伸ばせる」というお話をしました。
今回はその具体編。
PSIの下位検査のうち、「符号」が低い子への指導に入っていきます。
「符号」が低いというのは、ざっくり言うと「見て・写して・書く」スピードが遅いということ。
板書を写すのに、人一倍時間がかかる。
いますよね、教室に。
あの感じですね。
本記事を読むことで、
「符号」が低い子に、通級でどんな指導をすればいいのか?
が分かります。
結論から言うと、私が使うのは「マスコピー」という教材1つだけ!
これを、その子の実態より低い難易度から、制限時間は設けずに取り組ませます。
そして「素早く正確にできた」という褒めを繰り返す。
この指導を続けると、板書を写すスピードが上がっていきます。
本記事では、教材・進め方・声かけ・変化までを具体的にお話しします。
では、内容に入っていきましょう!
使う教材は「マスコピー」
私が「符号」の指導で使うのは、「マスコピー」(ノックノック)です。
これのみ。
これ、10年以上ずーっと愛用してます。
どんな教材か。
マス目の中に、見本と同じように数字や図形を書き写していくプリント教材です。
「見て、写して、書く」をそのまま鍛えられる。
「符号」が測っている力に、そのままアプローチできる。
シンプルだけど、いや、シンプルだからこそ長い間使い続けています。
そういう一冊です。
(※教材そのものの詳しい紹介は、次回【PSI編③で。ここでは指導の進め方を中心にお話しします)
進め方──2〜4枚・5分から
進め方はシンプルです。
- 1回に2〜4枚、時間にして5分くらい
- その子の実態より、低い難易度から始める
- 難易度を低と中✕上下・左右の2パターンで組み合わせて、少しずつ難易度を上げていく
「マスコピー」の難易度は、3つの要素で変わります。
- マスの大きさ
- 写す量
- 図形・記号の複雑さ
この3つを動かして、その子の「ちょうど」を探していきます。
低い難易度から入るのは、これまでのシリーズと同じ。
学級で毎日「遅い」を経験している子に、通級でまで難しいものをぶつけたくないですからね。
通級は、「できる!」から始める場所です。
ちなみに、制限時間は設けません。
その理由は、次の章で。
あえて「制限時間」は設けない
ここ、符号の指導のキモです。
あえて「制限時間」は設けない
PSIは「速さ」の力。
だから「速くやらせなきゃ」と思いますよね。
それは正しい。
実際、私も「1秒でも速くやってください」と言ってからプリントを渡します。
速さは、ちゃんと求める。
でも、「制限時間」は設けません。
なぜか?
制限時間は、プレッシャーになるからです。
考えてみてください。
通級って、1対1。
目の前には、大人(私)がいる。
さらに「1秒でも速くやってください」という条件まである。
…これ、子どもにとってはもう十分すぎるプレッシャーですよ。
そこに制限時間まで足したら、どうなるか。
焦る。
雑になる。
褒められる基準が「制限時間より速かったかどうか」「前回よりも速かったかどうか」になる。
これ、子どもからしたら嬉しいですか?
「通級に行きたいな」ってなりますか?
だから私は、制限時間を設けません。
安心感のある環境設定をして、その子が一生懸命取り組む「行動」を褒めたいんです。
具体的な声かけは、こんな感じ。
- 「いや〜!素早く正確にできてたね〜!」
- 「なんかだんだん速くなってない!?」
結果(素早く・正確)を、その場で明るく返す。
そして、本人が成長に気づけるように「速くなってない!?」と演じる。
確かに速さは求める。
でも、追い詰めない。
このさじ加減が、符号の指導では効いてきます。
変化のサイン
「マスコピー」を続けていくと、通級ではこんな変化が見えてきます。
- 写せる量が増える
- 写すのが速くなる
- 速くなっても、正確さを保てる
そして、学級では…
- 板書を写すのが速くなる
- ノートが、みんなと同じスピードで写せる
①でもお話しした「いつの間にかノートが書けるようになってた」が、まさにここ。
本人も担任も気づかないうちに、写せるようになってくるんです。
これが、符号を伸ばしたときの面白さです。
(※もちろん、その子の困難を「符号が低いから」だけで説明したり、断定したりしてはいけません。あくまで背景の一つとして捉えます)
担任・保護者への伝え方
担任には、こちらから「変わりましたよ」と報告しません。
逆ですよ。
担任から、教えてもらうんです。
ここでも、通級担当は「黒子として振る舞う」ことが効きます。
「最近、〇〇さん、ノートを書く様子どうですか?」と聞いて、学級担任から変化を引き出す。
担任が自分で気づいた変化って、すごく強いんですよ。
「あ、たしかに速くなったかも」と担任自身が実感してくれる方が、ずっと価値があるんです。
保護者には、こう聞くことが多いです。
「宿題の時に、何か気付かれることはありますか?」
気づいていることがあれば、しっかり傾聴して、本人の成長を一緒に喜ぶ。
特になければ、「これから家庭での様子にも、変化が派生してくることがありますよ」と伝える。
報告して「すごいでしょ」ではない。
それ、ただの自慢だから笑
そうじゃなくて。
質問して、引き出して、一緒に喜ぶ。
主役はいつも、その子と、その子を毎日見ている担任・保護者ですからね。
よくある質問(FAQ)
Q. 「符号」が低い子には、どんな教材を使いますか?
私は「マスコピー」(ノックノック)を使っています。
マス目に見本と同じように写していく教材で、「見て・写して・書く」力をそのまま鍛えられます。
1回2〜4枚、5分くらいから、実態より低い難易度で始めます。
Q. 速さを伸ばしたいのに、制限時間を設けなくていいんですか?
はい、設けません。
速さは「1秒でも速くやってください」という教示で求めます。
ただ、制限時間は「1対1・大人が目の前・速くの教示」という”すでにあるプレッシャー”への上乗せになるだけ。
安心感のある中で取り組めた方が、結果的に力は伸びます。
Q. どのくらいで変化が出ますか?
個人差はありますが、続けるほど、写す量・速さ・正確さは伸びていきます。
あくまでも目安ですが、週1回の頻度であれば、早くて2ヶ月、大抵は半年くらいで変化が出ます。
まとめ
- 「符号」が低い=「見て・写して・書く」スピードが遅い
- 使う教材は「マスコピー」。
2〜4枚・5分から、難易度はマスの大きさ・量・複雑さで調整(低と中✕上下・左右) - 速さは教示で求めるが、「制限時間」は設けない(安心感の中で「行動」を褒める)
- 続けると、板書を写すのが速くなる。
いつの間にか、ノートテイクが早くなり周囲に追いついてくる
次回【PSI編③】では、この指導で使っている教材「マスコピー」を、もう少し詳しく紹介します。
符号は、コツコツ続けると本当に伸びます。
その伸びが、いつの間にか教室でのその子をラクにしている。
少しでもあなたの指導のヒントになっていれば、嬉しいです。
大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊
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- 「符号」の教材(近日公開予定)→「【PSI編③】」
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