こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂
WISC編の執筆を終えて開始した「実際の指導編」。
この指導編の記事も、今回で10記事目となりました🎉
今回の内容が、少しでもあなたの役に立てば嬉しいです。
さて、前回は実際の指導編⑨(文字編)で、平仮名・カタカナの習得の話をしました。
今回は「読み取ろう」。
文章を読んで、内容を読み取る力=読解の指導です。
先にはっきりさせておきたい内容を。
ここで扱うのは、物語文・説明文の「書いてある内容」の読み取りです。
- 登場人物の気持ちを問う設問は、扱いません。
他者理解・他者視点・気持ちの想像は、ちょっと違う能力なので別の指導になります。 - 算数の文章題も、算数指導の範疇なので、今回は扱いません。
本記事の範疇を明確にしたところで…
あなたが指導している子の中に、こんな子はいませんか?
- 音読はスラスラできているけど、内容が頭に入っていない
- 設問に、ダラダラ長く答える
- 「なぜ?」と聞かれているのに、単語でしか答えられない
- 「聞かれていること」と「答え」が、どうもかみ合わない
いますよね。
いるはずだ笑
音読はできるのに、なぜか読み取れていない子。
本記事を読むことで、
通級で「読み取ろう」を、どう見極めて、どう指導するのか?
が分かります。
結論から言います。
通級の対象となっている子たちの多くは、頭が悪いわけでも、理解力がないわけでもありません。
(※知的発達に遅れがあるとか、知的水準が境界域とか、そういう子たちは省きます)
ただ、「答え方」を知らないだけかなと。
知らないだけなんです。
「なぜ?」と聞かれたら「〜から」。
「なに?」と聞かれたら、その名前をズバッと。
こういう答え方=解答のスキルを身につければ、適切に答えられることが増えます。
読解教材で読ませて、聞かれたことに端的に答える練習を、1回5〜10分。
これを、コツコツ積み上げます。
じゃあ実際にどんなことを…?
では、内容に入っていきましょう!
「音読」「文字」と、どう違う?
読み書きの指導が続いているので、混乱しないよう先に整理してみますね。
- 実際の指導編⑦(音読編)=文字や単語を、素早く正確に「読む」
- 実際の指導編⑨(文字編)=仮名文字そのものを「覚える」
- 今回の「読み取ろう」=読んだ文章の「意味を取り、聞かれたことに端的に答える」
「読み取ろう」指導の前提が1つあります。
それは、音読ができている・ほぼできている子が対象です。
目の運動・音読・文字の指導で読みの土台ができてきた子、あるいはもともと読みの困難がない子。
「読む」ができて初めて、「読み取る」に進めます。
なお、この読解は、WISCのVCI(言語理解)とも深く関わっていると考えています。
(WISC:VCI(言語理解)が低い子への通級指導【VCI編①】では「何を」育てるかを、この記事では「実際の45分でどう」指導するかを、書き分けています)
まず「見極める」──所見とテストから
読解の指導が必要かどうかは、いくつかの手がかりで見立てます。
- 聞き取り・行動観察:担任や保護者に読解の様子を聞きとり、テスト結果を確認します。
- WISCの所見:報告書に「端的に解答することが難しかった」といった記述があったり、VCI(言語理解)の数値が低かったりする時。私は読み取りの力の低さを疑います。
- 国語のテスト:文章を読んで解答する問題で、どの程度適切に答えられているかを確認します。
表面上は「文章を読む→答える」形式なので、読み取りの様子がよく見えるんです。
「読めるのに、読み取れていない」のか。
それとも「答え方を知らないだけ」なのか。
このあたりを、見立てていきます。
使う教材──「おはなし読解ワーク」
私が使っているのは、葛西ことばのテーブルの「おはなし読解ワーク」です。
(凡人社の商品ページ/葛西ことばのテーブル公式)
初級・中級・上級、さらに続・初級/続・中級/続・上級とレベルがそろっているのが、ありがたいところ。
初級は短い文で、単語で答えられる設問から。
だんだん説明文中心の、読み応えのあるものへ。
使う時の工夫としては、難易度や内容を組み合わせるということ。
例えば、1〜20ページはA問題、21〜40ページはB問題、41〜60ページはC問題、というように問題の種類が変わることあるじゃないですか。
それを組み合わせるってことです。
つまり、A問題を2枚、B問題を1枚、C問題を1枚、みたいな感じ。
1つのタイプを続けてやらせない。
これは実際の指導編①(組み合わせて・並行して)の考え方と同じですね。
実際の指導場面──読んで、聞いて、端的に答える
やり方は、とてもシンプルです。
- プリントを1枚出して「読んでみましょう」と伝え、音読させます。
- 音読後、「どうぞ」と一言だけ。子どもは設問を黙読し、解答します。
- 解答し終えたら、設問を1つずつ読み上げます。
- 子どもが口頭で答えます。
- 聞かれていることだけに端的に答えられていたら、すぐに褒める。
一発で端的に答えられた時は、こんな感じ。

完璧! 聞かれていることだけをズバッと。良い答え方だね!
「良い答え方」を、その場で、はっきり価値づける。
これは通級だけに留まらず、子どもを褒める時ぜんぶに共通することですね☝️
端的に答えられない子には「答え方の型」を示す
もちろん、最初からズバッと答えられる子ばかりではありません。
というか、それができてるなら指導する必要ないもんね笑
ダラダラ答えたり、単語だけだったり、的外れだったりする状態からスタートです。
そういう時は、答え方の「型」を示して、自分で気付けるように導きます。
実際のやりとりを紹介してみます。
(少しでもイメージが伝わればいいんだけど…)

(※子どもが解答後)
じゃあ確認するよ。「なぜラクダは砂漠で長く生きられるのですか?」

こぶ。

うんうん、近い近い。
「なぜ?」と聞かれてます。
だから、「〜から」って答えるので・・・・・?

あ! 「こぶに栄養をためているから」!

その通り!
すごいやーん!
気付けるっていうのは、賢くなってる証拠だよ。
賢くなかったら、そもそも気付けないからね。
ここでのポイントは、「気付けた」そのものを褒めること。
正解したことより、「自分で気付けた」というプロセスを価値づける。
「賢くなってる証拠だよ」のワード。
これ、結構子どもに刺さりますよ✨️
答え方の型は、5W1H
教えている「答え方」は、要するに5W1Hです。
- いつ? → 時(「〜のとき」など)
- どこ? → 場所
- だれ? → 人物
- なに? → 名前・もの
- なぜ? → 理由(「〜から」)
- どんな? → 様子
問題を解きながら、その設問がどのタイプかを一緒に確認し、答え方をその場で示す。
これを続けていくと、だんだん端的な解答に近づいてきます。
そして、近づいたときも、端的にできたときも、褒め続ける。
「型を示す」と「褒める」。
この繰り返しです。
この繰り返しにより、子どもはほんとに変わっていきます。
「書き直し」はさせない
子どもが気付いた。
答えを変更する必要がある。
でも、私は書き直しをさせません。
理由は、子どもにとって、めんどくさいから。
「読み取ろう」の指導の目的は「端的に解答する」こと。
書き直すことは目的ではありません。
目的に合致しない、その子にとって余計な負荷は極力省く。
これは実際の指導編⑨(文字編)の「書かせない」と、同じ考え方です。
じゃあどうするか。
必要に応じて、私が書いています。
あるいは、子どもが書いた解答の“いらない部分”を、赤で消しています。
端的にするというのは、余分を削るということ。
それを視覚化するわけです。
そもそも「読み取れていない」ときは?
ここまでは「答え方」の話でした。
でも、中には内容そのものを読み取れていない子もいます。
その時は答え方の指導ではなく、私がその内容を解説します。
「答え方を知らないだけ」なのか、「そもそも読み取れていない」のか。
この2つを分けて対応するのが、大事なところです。
進め方の目安
- 時間:1回5〜10分。
- 枚数:難易度が低ければ5枚くらい、高ければ2枚くらい。
- 難易度はその子の実態に合わせて、ワークのレベルで調整します。
終了の目安
私は、国語のテストの表面で端的に解答できるようになったら読み取りの指導は終了、と判断しています。
通級での取組中だけでなく、学級のテストという“本番”で、聞かれたことに端的に答えられている。
そこまで来たら、力がついた証拠です。
もう1つ、私が「伸びたな」と感じるサインがあります。
それは、普段の会話です。
こちらの質問に正対した内容を、端的に答えられることが増える。
読解で育てた「聞かれたことに答える力」は、会話にも出てくるんじゃないか。
これが私の実感です。
よくある質問(FAQ)
Q. 音読はできるのに、読解が苦手なのはなぜ?
「読む(文字を音にする)」力と、「読み取る(意味を理解し答える)」力は、別の力だからです。
スラスラ音読できても、内容が頭に入っていない子はいます。
そして多くの場合、足りないのは理解力そのものより、「聞かれたことにどう答えるか」という答え方のスキルだと考えています。
だからこそ、そのスキルを教えれば答えられることは増えていきます。
Q. 気持ちを問う設問は、扱わないのですか?
はい、この「読み取ろう」では扱っていません。
登場人物の気持ちを想像する力は、他者理解・他者視点に関わるので、少し違う能力だと考えているからです。
ここでは、文章に「書いてある内容」を読み取って、聞かれたことに端的に答える力を育てます。
Q. 教材は、どのレベルから始めればいいですか?
その子の実態によります。
あえて言うなら、子どもが「簡単!できるよ」と思えるレベルからがいいかなと思います。
なぜか?
主体的に取り組むからです。
まとめ
- 読み取ろう=物語文・説明文の「書いてある内容」の読解(気持ちを問う設問・算数の文章題は扱わない)
- 核=読み取れないのは理解力の問題より、「答え方=解答スキル」を知らないだけのことが多い
- 答え方の型は5W1H(いつ・どこ・だれ・なに・なぜ・どんな)。問題を解きながら教える
- 手立て=端的に答えられたら褒める/問いの型と結びつけて気付かせる/「気付けたこと」を褒める
- 書き直しはさせない(余計な負荷を省く)。読み取れていない時は解説する
- 終了の目安=国語テストで端的に解答できる
「読めているのに、読み取れていない」。
こういう子たちは、教室に必ずいます。
でも、テストでバツをもらっても「答え方が分からないだけなんです」なんて、自分では言えないですよね。
言えるわけねー笑
だからこそ、あなたが気付いて、答え方を教えて、「できた!」を増やしてあげる。
それができるのは、その子の隣にいる、通級担当のあなたです。
大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊
📖 実際の指導編シリーズ
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