こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂
WISC。
ウィスク。
小・中学校で通級担当をしていたら、必ずといっていいほど目にしたことのあるワードでしょう。
ちなみに…。
就学前からの引継ぎだったら「WPPSI」(ウィプシ)というワードや、高校生だったら「WAIS」(ウェイス)というワードも見たことがある・知っている、かもしれません。
今回は、WISC(ウィスク)。
現状で、一番新しい版である「WISC-Ⅴ」(ウィスク ファイブ)について解説します☝️
「WISCの結果、もらったはいいけど…これ、どう活かしたらいいの…?」
通級担当なら、一度はそう思ったことがあるはずです。
ない、なんて人に出会ったことがない笑
そのくらい難しいと思います。
数字がずらっと並んだ報告書。
なんかよく分からない折れ線グラフみたいなやつ。
言語理解、視空間、流動性推理、ワーキングメモリー、処理速度…。
VCI、VSI、FRI、WMI、PSI…?
なんだ、この英語は…?
そもそも何て読むんだ…?
正直、最初は私も「で、明日からどうすれば…?」と固まっていました😅
この記事は、その答えの入口をぜんぶまとめた記事です。
WISCとは何か、5つの指標がそれぞれ何を意味するのか。
そして、各指標が低い子に、通級でどんな指導をして、どんな教材を使うのか。
これまで書いてきた全25記事への、地図になっています。
本記事を読むことで、
WISCの結果を、目の前のその子の指導に、どう活かせばいいのか?
が分かります。
結論から言うと、WISCは「賢さの順位をつける検査」ではありません。
その子の認知の凸凹(得意と苦手)を知るための「地図」(※私は「宝の地図」だと思っています笑)です。
通級では、その地図を手がかりに指導を組み立てて、学級適応につなげていく。
数字を「ただの数字」で終わらせない。
それが、通級担当のWISCの活かし方です。
では、内容に入っていきましょう!
WISCとは?──「賢さの順位」ではなく「認知の地図」
WISC(ウェクスラー式知能検査)は、子どもの知的な力(知的能力)を測る検査です。
全体的なIQ(FSIQ:フルスケールアイキュー)に加えて、5つの指標で、その子の認知の特徴を見ていきます。
ここで大事にしたいのは、「平均より高いか低いか」より、その子の中での凸凹です。
得意な力と、苦手な力。
その差(=凸凹)にこそ、その子の「困りの背景」と「伸ばし方のヒント」が隠れています。
その部分を分析して、見抜いて、指導内容と方法を組み立てて、指導して、その子の学級適応につなげる。
この一連の流れが、私たち通級担当の専門性です☝️
WISCの「5つの指標」をざっくり
まずは、5つの指標を一言ずつ。
それぞれ「低いと、学級でこんな困りとして現れやすい」という例も添えます。
- VCI(言語理解)…言葉で理解し、考え、説明する力。
低いと、語彙や説明、話の理解でつまずきやすい。 - VSI(視空間)…見たものを、頭の中で空間的に捉え・組み立てる力。
低いと、図形や板書の書き写し、位置の把握が苦手になりやすい。 - FRI(流動性推理)…初めての問題から、規則や関係を見つけて解く力。
低いと、新しい場面や応用、推理でつまずきやすい。 - WMI(ワーキングメモリー)…情報を一時的に覚えて、操作する力。
低いと、聞き取りや指示の保持、暗算が苦手になりやすい。 - PSI(処理速度)…単純な作業を、速く正確に進める「作業する力」。
低いと、書き写しや見比べに時間がかかりやすい。
(※もちろん、その子の困りを「この指標が低いから」だけで説明したり、断定したりしてはいけません。あくまで背景の一つ、手がかりの一つとして捉えます。数値はあくまでも、ただの数値です)
指標別・通級での「活かし方」(各記事への入口)
ここからが本題です。
各指標について、「基本の考え方」→「具体的な指導」→「オススメ教材」の順で記事をまとめました。
気になる指標から、必要なところだけ読んでみてください‼️
VCI(言語理解)が低い子へ
言葉で理解し、説明する力を、通級でどう伸ばすか。
- まずは基本:VCI(言語理解)が低い子への通級指導|基本的な考え方と方針【VCI編①】
- 「単語」の指導と教材:具体的アプローチ【VCI編②】/オススメ教材【VCI編③】
- 「類似」の指導と教材:具体的アプローチ【VCI編④】/オススメ教材【VCI編⑤】
VSI(視空間)が低い子へ
見たものを、頭の中で組み立てる力を、通級でどう支えるか。
- まずは基本:VSI(視空間)が低い子への通級指導|基本的な考え方と方針【VSI編①】
- 「積木模様」の指導と教材:具体的アプローチ【VSI編②】/オススメ教材【VSI編③】
- 「パズル」の指導と教材:具体的アプローチ【VSI編④】/オススメ教材【VSI編⑤】
FRI(流動性推理)が低い子へ
初めての問題を、自分で考えて解く力を、通級でどう育てるか。
- まずは基本:FRI(流動性推理)が低い子への通級指導|基本的な考え方と方針【FRI編①】
- 教科学習での指導:具体的アプローチ【FRI編②】/オススメ教材【FRI編③】
- 新規場面での指導:具体的アプローチ【FRI編④】/オススメ教材【FRI編⑤】
WMI(ワーキングメモリー)が低い子へ
覚えて、操作する力を、通級でどう支えるか。
- まずは基本:WMI(ワーキングメモリー)が低い子への通級指導|基本的な考え方と方針【WMI編①】
- 「数唱」の指導:具体的アプローチ【WMI編②】/オススメ教材【WMI編③】
- 「絵のスパン」の指導と教材:具体的アプローチ【WMI編④】/オススメ教材【WMI編⑤】
PSI(処理速度)が低い子へ
速く正確に作業する力を、通級でどう伸ばすか。
- まずは基本:PSI(処理速度)が低い子への通級指導|基本的な考え方と方針【PSI編①】
- 「符号」の指導と教材:具体的アプローチ【PSI編②】/オススメ教材【PSI編③】
- 「記号探し」の指導と教材:具体的アプローチ【PSI編④】/オススメ教材【PSI編⑤】
WISC活用で、私がずっと大事にしていること
5指標を全部書ききって、改めて思うことがあります。
WISCの活かし方は、テクニックの寄せ集めではありません。
「この数値が低いから、はい、この教材!」ではない。
この考え方や関連のさせ方が一番危険。
絶対にやめてほしいです。
では、何を大事にすればいいのか?
以下に3つ挙げます。
1つ目。
数字を「ただの数字」で終わらせないこと。
数字は順位でも、診断でもありません。
「この子をどう支えるか」のヒントです。
2つ目。
苦手から逃げないこと。
「できるようになりたい」というその子の意欲を、正面から受け止めて、できるようにする。
逃げない。
ごまかさない。
それが、私たち通級担当の専門性です。
3つ目。
主体性を重視すること。
こちらが説明しすぎず、その子が自分で取り組み、選び、達成する機会を増やす。
そういう機会・環境を設定したり、自分自身が演じる。
苦手を軽減しつつ、その子の主体性を高めていく。
指導時に一番大事にしたい部分ですね。
通級担当は黒子です。
黒子として振る舞いながら、その子の学級適応を、後ろからそっと支える。
これが、5つの指標すべてに共通する、私の指導の軸です。
よくある質問(FAQ)
Q. WISCの結果は、どう活かせばいいですか?
「平均との高低」よりも、その子の中での凸凹に注目してください。
低い指標は「苦手の背景」と「伸ばし方のヒント」を教えてくれます。
通級では、そこを手がかりに指導を組み、学級での困りが減ることを目指します。
具体的な指導・教材は、上の指標別リンクからどうぞ。
Q. 指標が低い=その子の困りの「原因」だと考えていいですか?
いいえ、そこは慎重に。
というか、そういう関連付けはやめた方がいいです。
「この指標が低いから、こう困っている」と決めつけることはできません。
あくまで背景の一つ、手がかりの一つです。
複数の情報と、その子の実際の様子を合わせて見ていきます。
Q. 5つの指標、全部を指導しないといけませんか?
そんなことはありません。
というか、そんなことのためにWISCの結果を活用してはいけません。
その子の実態と、今学級で困っていることに応じて、必要な指標から取り組みます。
全部に手を広げるより、「今いちばん効くところ」を探すことが大切です。
まとめ
- WISCは「賢さの順位」ではなく、その子の認知の凸凹を知る「地図」
- 大事なのは平均との高低より、本人の中での得意・苦手の差
- 通級では、低い指標を手がかりに指導を組み、学級適応につなげる
- 活かし方の軸は、数字で終わらせない・苦手から逃げない・主体性・黒子
WISCの結果を、目の前のその子の指導につなげる。
本当に奥が深くて、難しいです。
私は、自信をもって「できるようになった」と実感できたのは3年目くらいからです。
それまでは試行錯誤とヘコむ日々でした。
本当です。
でも。
試行錯誤し続けて、やり続けたら「失敗」なんてないです。
失敗ではなく、次への一歩になってますからね。
ただ、次への一歩にするには、試行錯誤が必須。
しんどい毎日だとは思いますが、頑張りながら、楽しんでいきましょう✨️
このブログが、少しでもあなたの助けになっていれば、これ以上嬉しいことはありません。
大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊
📚 関連記事(各指標の入口)
- 言語理解(VCI)→「基本的な考え方と方針【VCI編①】」
- 視空間(VSI)→「基本的な考え方と方針【VSI編①】」
- 流動性推理(FRI)→「基本的な考え方と方針【FRI編①】」
- ワーキングメモリー(WMI)→「基本的な考え方と方針【WMI編①】」
- 処理速度(PSI)→「基本的な考え方と方針【PSI編①】」
- 筆者について →「プロフィール」


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