こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂
前回の実際の指導編⑲(ワークシート1枚を、どう進めるか)では、進め方を最初から最後まで公開しました。
”気持ち”の指導は、情報量が多い‼️
だから、前回の記事は特に気合い入れて書きました。
今回は、その中のたった2つの質問だけを取り出して書きます。
1つ目。
「どこが良くないですか?」
2つ目。
「なぜ良くないですか?」
この2つです。
地味ですよね…💦
でも私は、この2つの質問・やりとりが、気持ちの指導のすべてだと思っています。
本記事を読むことで、
なぜ「どこが」と「なぜ」を、子どもに言わせるのか?
が分かります。
結論から言います。
私が「どこが」と「なぜ」を分けて、必ず子どもに言わせるのは、実際の指導編⑱(SSTと般化の話)で書いた般化=学級適応に、ここが直結しているからです。
逆に言えば、この質問・やりとりをしない”の気持ち”の指導は、ほぼ意味はありません。
今回の材料(再現図)
話を具体的にするために、1枚の再現図を用意しました。
今回はこれを「材料」として使います。
📝 今回の材料(再現図)|左:指導前 右:指導後

指導前

指導後
※市販ワークシートそのものではありません。場面・選択肢を作り直したオリジナルの再現図です。
場面は朝の会。
先生が今日の時間割を説明しているところに、Aさんが「理科は何をしますか? 虫とりしますか?」と質問します。
先生が答えて説明を再開しようとすると、今度は「算数ノートを忘れてしまいました」と、また話しかける。
まわりがざわざわし始めて、先生が困ってしまった——という場面です。
進め方そのものは実際の指導編⑲と同じなので、今回は省略しますね。
ここからは2つの質問の話だけをします。
質問①「どこが良くないですか?」──行動を特定させる
子どもが丸をつけなかった番号を扱うとき、私はまずこう聞きます。

「②のどこが良くないと思いましたか?
良くないと思った部分だけを、読んでみて」
ポイントは、「部分だけを読んで」と言うところです。
全部を説明させません。
これで、その子が何を良くないと判断したのかが、はっきり見えます。
ここを飛ばして、いきなり「なぜ良くないの?」と聞くと、どうなるか。
子どもは文全体をぼんやり眺めて、「なんとなく」で答えるしかありません。
あるいは、黙ります。

まず、どの行動の話をしているのか。
そこを1つに絞ってから、理由を聞く。
順番が逆だと、うまくいきません。
質問②「なぜ良くないですか?」──理由を考えさせる
行動が特定できたら、次です。

「なぜ良くないですか?」

「(このままだと理科の授業で何をするかが)
わからないままだから」
これだけです。
たったこれだけですが、ここを子どもの口から出させることに、私はこだわっています。
言えたら、青字・赤字で書きます。
上手く言えなかった場合は、私が要約して書いています。
そうすることで、良い/悪いの本質を端的に理解することにつなげています。
なぜ、この2つを分けるのか
「どこが良くないですか?」
「なぜ良くないですか?」
この聞き方をすると、子どもが考える対象は「その行動が良いか、良くないか」になります。
「あなたはどう思った?」でも、「Aさんはどんな気持ちだった?」でもありません。
行動そのものを、外から見て判断する。
つまり、感情が入らないんです。

その子がどう感じたかではなく、この行動は良いのか、良くないのか。
そこを客観的に判断・思考できるようにしたいんです。
なぜ、そこにこだわるのか。
実際の学級では、感情が動いているからです。
カッとなっている時、あせっている時、「早く言いたい」と思っている時。
その真っ最中に、「自分の気持ちを振り返ろう」なんて、大人でも難しい。
でも、「この行動は良くない」という判断の軸を持っていれば、感情の外側から自分の行動を見られます。
トラブル後に先生に呼ばれて話を聞かれる時。
ありますよね、あの場面。
あの場面で、冷静に自分の行動を振り返ることができるようになるんです。
「僕は悪くない!〇〇が悪い!」、「〇〇が先に言ってきた!」とか主張し続けて指導しにくい子、いるでしょう?
言った/言わないの感情論ではなく、「あなたのやったことで、どこが良くなかったですか?」→「なぜ良くなかったですか?」→「じゃあどうしますか?」「この後あなたは何をしますか?」という、行動を振り返って次につなげる指導ができるわけです。
担任からしたら、トラブル後の指導が入りやすく・やりやすくなると、すっごいストレス減るじゃないですか😁
だから私は、気持ちの指導だけど、気持ち(感情)そのものよりも行動の良し悪しを扱います。
これが般化につながるからです。
「端的に言えた」時は、めちゃくちゃ褒める
子どもが理由を短く言い切れた時。
私は、めちゃくちゃ褒めます。

そうだよね〜!
めっちゃ分かりやすい!
正解したから褒めているのではありません。
端的に言えた、そのこと自体を褒めています。
私の中では、こういう連鎖で考えています。
- 端的に言える
- =良い・良くないの本質を理解している
- =学級で同じことがあった時に、適切に行動できることが増える
- =般化している
- =学級適応が高まっている
だから、端的に言えたかどうかは、私にとって指導の手応えそのものなんです。
長々と説明できることより、ひと言で言い切れることの方が、はるかに価値があります。
言えなかった時、どうするか
もちろん、いつも言えるわけではありません。
言えなかった時の関わりも書いておきます。
ほとんどは、私が伝えています。

「なるほどなるほど。
これは、〇〇だから良くないね」
「なるほどなるほど」から入るのは、その子が考えたこと自体は受け止めたいからです。
そのうえで、こう聞くこともあります。

「他にはある?」
そして、子どもが自分から「分かりません」と言えた時。
ここは、私はむしろ喜びます。

「分かりません」

分かりませんって言えて偉いね!
これはね、〇〇だから良いよね〜。」
分からないことを、分からないと言える。
これも学級で必要な力です。
だから、そこを褒めます。
学級につなげる(担任との共有)
ここまで指導したら、実際の指導編⑱のとおり、指導記録に書いて担任と共有します。
このとき、私が書くのは「プリントをやりました」ではありません。
こういった内容を書きます。
- 学級で話の途中に質問してしまう場面はありませんか?(問い)
- 「わからないままだから良くない」など、良い/悪いの理由を本人なりに説明できることが増えてきました(事実)
- プリントの下部に書いた「〜〜〜が大事」の内容は、学級で個人指導/全体指導をする時にぜひ活用してください(提案)
よくある質問(FAQ)
Q. 気持ちの指導なのに、気持ちを聞かないんですか?
全く聞かないわけではありません。
今回の材料でも、質問1で「先生はどうして困ったのか」を考えさせています。
ただ、指導の中心は行動の良し悪しです。
その子が学級で使うためには(=般化させるためには)、客観的な判断が必要だからです。
Q. 子どもが理由を言えるようになるまで、待ちますか?
少しは待ちますが、粘りすぎません。
言えなければ私が伝えて、復習で読ませます。
読むことをくり返すうちに、少しずつ理由を端的に説明できるようになってきます。
Q. 「どこが」を飛ばして「なぜ」だけ聞くのは、なぜダメなんですか?
ダメというより、子どもにとってちょっと難しいと思います。
どの行動について話しているのかが定まっていないので、考えるのが難しい。
だから、行動を1つに絞ってから理由を聞きます。
まとめ
- 気持ちの指導の核は、「どこが良い/良くないですか?」(行動の特定)と「なぜですか?」(理由)の2つを、必ず子どもに言わせること
- 順番が大事。
行動を1つに絞ってから、理由を聞く。逆だと子どもは答えづらい - 考える対象が「行動の良し悪し」になり、感情が入らない。だから学級の実場面で使える
- 端的に言えた=本質を理解している=般化=学級適応。
だから端的に言えた時は、めちゃくちゃ褒める - 言えない時は私が伝える。
「分かりません」と言えたことも褒める
プリントをやって、あなたが説明するだけなら、たぶん5分で終わります。
で、指導の最後に「クラスでもやっていこうね〜」みたいな確認。
この指導で般化するのか?
しません笑
絶対、という表現は強すぎるかもしれないけど、ほぼ絶対しません笑
でも、こういう指導をしている通級担当は本当に多い。
だから、「どこが?」「なぜ?」を1つずつ聞くことが重要なんです。
その子が何を良いと思い、何を良くないと思っているか。
これが分かると、その子の捉えや認知を修正しやすくなる。
そして、その子が自分の言葉で端的に説明できた時。
変化の兆しです。
端的な説明が続いていくと、学級での変化=般化はそう遠くありません。
その瞬間に立ち会えるのは、その子と1対1で向き合っている通級担当のあなたですよ✨️
行動面で般化が見られると、嬉しいよ〜😆
通級担当やってて良かった〜、って思える瞬間の1つだね☝️
大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊
📖 実際の指導編シリーズ
- ① 指導をひとつに絞らない理由と考え方
- ② 45分を“指導パーツ”で組み立てる
- ③ 「目の運動」対面トレ編
- ④ 「目の運動」プリント編
- ⑤ 「運動」体幹・バランスから体育へ
- ⑥ 「手の運動」巧緻性・運筆・道具操作
- ⑦ 「音読」たくさん読ませる前にやること
- ⑧ 「言葉のきまり」特殊音節の指導
- ⑨ 「文字(仮名)」平仮名・カタカナを書かせず覚える
- ⑩ 「読み取ろう(読解)」聞かれたことに端的に答える
- ⑪ 「作文」5W1Hで文章を組み立てる
- ⑫ 「漢字」①読み・意味編
- ⑬ 「漢字」②形・書き編
- ⑭ 「漢字」③使い分け編
- ⑮ 「意味調べ」教科書の知らない言葉を調べる
- ⑯ 「ことわざ・慣用句」教える/教えないの線引き
- ⑰ 「スピーチ」結論→理由→まとめで話す
- ⑱ 「気持ち・社会性」SSTと般化の話
- ⑲ 「気持ち」ワークシート1枚の進め方
- ⑳ 「気持ち」ワークシート②言うタイミング
📚 関連記事
- 前回(1枚の進め方)→「通級の「気持ち」の指導①|ワークシート1枚を、どう進めるか【実際の指導編⑲】」
- 考え方(SSTと般化)→「通級の「気持ち」の指導|SSTと言う前に、般化=学級適応を問いたい【実際の指導編⑱】」
- シリーズの全体像 →「通級の「実際の指導」とは?【実際の指導編・完全ガイド】」
- 筆者について →「プロフィール」


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