通級の「漢字」指導③|同じ音・同じ形でつまずく子の“使い分け”を育てる【実際の指導編⑭】

こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂

最近、時間を見つけては通級ラボの記事を書いてます笑
自分がこれまで培ってきた専門性を、こうやって文字にする。
それをあなたが読んでくれて、少しでも取り入れてもらえる。
結果的に、学級で困っていて通級で学んでいる子たちの力が高まっていく。
となると、その子の学級適応を高めることができる。
だけでなく、その子の将来や人生をも変えていくことができる。
想像しただけでステキやわ〜✨️
というわけで、今日も書きます笑

前回は実際の指導編⑬(漢字②形・書き編)で、パーツで組み立てて「書く」指導の話をしました。
今回は、漢字の3本目。
シリーズの締めくくり、⑭=使い分け編です。

通級での漢字の指導は、3つに分けてきました。

  • ⑫(読み・意味)=読めて、意味が分かる
  • ⑬(形・書き)=形をとらえて、書ける
  • 今回(使い分け)=同じ音、同じ形で、正しく選び分ける

⑫で読みと意味を、⑬で形を育ててきた。
その先、読みの理解をもう一歩深めるのが、今回の話です。

先に、今回で扱う範囲をはっきりさせておきます。
2つあります。

  • 同音異義語(どうおんいぎご):読みは同じなのに漢字が違う(「こうえん」→ 公園/講演)
  • 同形異音語(どうけいいおんご):同じ漢字なのに読みが複数ある(「生」→ いきる/なま/セイ)

あなたが指導している子の中に、こんな子はいませんか?

  • 音読で、漢字一字の読みを取り違える(場面に合った読みで読めない)
  • 漢字テストで、音は合っているのに、場面に合わない漢字を書く
  • 「こうえんで遊ぶ」の「こうえん」を、「講演」と書く
  • 一つの漢字に読みがいくつもあると、混乱する

いますよね〜。

本記事を読むことで、

通級で「漢字の使い分け」を、どう見極めて、どう指導するのか?

が分かります。

結論から言います。
使い分けでつまずく子は、漢字を「読み」だけで覚えて、「意味」とつなげきれていないことが多い。
だから、音は合っていても、場面に合った漢字や読みが選べない。
ここを、読みと意味を、もう一度ていねいにつなぎ直す指導で埋めていきます。
(※漢字だけの課題というよりは、語彙や概念も絡んでくるので、総合的な課題とも言えるかもしれませんが…)
使うのは、ワーク1冊。
では、内容に入っていきましょう!

「この指導をする子が少ない」わけではありません

「漢字が書けない」という学級担任からの訴え。
これは、通級担当だったら結構聞くことがあると思います。

書けるようにしてあげたい。
これは、通級担当として当然の思い。
あなたも必ず持っている。

でもね。
漢字の指導は、とにかく幅が広い。
実際の指導編⑫(読み・意味編)実際の指導編⑬(形・書き編)、そして今回の「使い分け」。
1回の指導パーツも、指導の期間も長くなりやすいんだ。
そして終わりも、なかなか見えないってのが本音。

だから、45分の中にいろんなパーツを組み込む子には、今回紹介する「使い分け編」まで手が回りにくいと思う。
結果として、漢字をメインで指導している子に組み込むことが多くなる。

指導してあげたい子はたくさんいるんだけど…というのが現実です。

まず「見極める」──2つの入口

使い分けの指導が必要かどうか。
私は、2つの場面で気づきます。

  • 音読で、漢字一字の読みを取り違える
    同形異音語(読みが複数ある漢字を、場面に合った読みで読めない)
  • 漢字テストで、音は同じだけど違う漢字を書く
    同音異義語(読みは合っているが、意味に合った漢字を選べていない)

⑫の「安内」(音に合わせて書く)とも、⑬の「目の横線が1本足りない」(形のズレ)とも違います。
読みも書きも、まずまずできている。
でも、そこから先の「どっち?」で迷う
これが、使い分けのつまずきです。

使う教材──まなびの「読み・意味編」

私が使っているのは、実際の指導編⑬(形・書き編)でも紹介した、「漢字の基礎を育てる 形・音・意味ワークシート」
その中の、「漢字の読み・意味編」です。

このワーク、サブタイトルが「読みかえ・同じ読み方」。
まさに、同形異音語(読みかえ)と同音異義語(同じ読み方)そのもの。
読みを、意味と関連づけて考えさせる作りになっています。

⑬では2冊を組み合わせましたが、「使い分け」ではこのワーク単独で使うことが多いです。

実際の指導場面──渡して、見て、読ませる

やり方は、実際の指導編⑬(形・書き編)と同じ。
プリントを渡して、「どうぞ」。
あとは、黙って観察します。

そして、終わったら、必ず音読させます
ここからが、同音異義語と同形異音語で、少し変わります。

同音異義語のとき

このワークには、「これはどういう意味?」と意味を問う問題があります。
書いたあと、その漢字・熟語がどういう意味か、確認する。
読みではなく、意味で漢字を選べているかを見るわけです。

同形異音語のとき

読みかえの問題は、こう進めます。

  1. 「読んでみてください」と、読ませる
  2. 読めたら、すかさず褒める
  3. 読めなかったら、ふりがなをふって読ませる
  4. 一通り終わったら、読めなかった文だけもう一度読ませる
ねこもみじ
ねこもみじ

お〜、いいね!
その読み方で合ってるよ!

そして、丸のつけ方に、私なりの工夫があります。

  • 赤丸=1回目で読めた
  • 青丸=2回目(ふりがなの後)で読めた

色を分けるのは、見分けるため
子どもにとっては、どちらも「読めた」の○。
でも私には、「どこが1回で読めて、どこが2回目だったか」の記録が残ります。
この記録が、次の指導の見取りになります。

終了の目安──やっぱり、終わりは見えにくい

使い分けも、「ここまでで終わり」というのは難しいです💦
というか、漢字の指導に終わりはあるのかな…と思うくらい。
あなたも、悩んでませんか?

でも、手応えは、ちゃんとあります。
それは…

1回目で読める頻度が、増えてくる

という手応えです。

さっきの赤丸・青丸で言えば、青丸が減って赤丸が増える
ふりがなの助けがなくても、場面に合った読みがすっと出てくる。
そうなってきたら、「あ、使い分けの力が高まってきたな」と実感します。

よくある質問(FAQ)

Q. ⑫「読み・意味編」・⑬「形・書き編」と、⑭「使い分け編」はどの順でやりますか?

その子の実態によります。
基本的には、漢字をメインでやっている子の指導に組み込んでいるイメージです。
⑫→⑬→⑭ときれいに順番で指導するというより、その子の漢字指導の中に必要なパーツとして入れていく。
だから、順番はその子の実態によります。

Q. 何年生から使えますか?

その子の実態によります。
使い分けは、学年でくくりにくい指導です。
音読での読み取り違えや、テストでの漢字の取り違えが見えたら、学年に関わらず組み入れていきます。

Q. 家庭に勧めることはありますか?

ないです。
これも、実際の指導編⑬(形・書き編)と同じ考えです。
観察し、読ませてみる。
読めたら即座に褒める。
読めなければふりがなをふって、正しく読ませる。
このやりとりがあってこその指導。
通級という環境で、集中して取り組むことでその子のためになります。

まとめ

  • ⑭は使い分け編
    同音異義語(音は同じ・漢字が違う)と同形異音語(漢字は同じ・読みが違う)を扱う。
    ⑫⑬で育てた読み・意味を、もう一歩深める
  • 多くの子に指導してあげたいが…。
    時間の都合で、漢字をメインで指導している子に組み込むことが多い
  • 見極め=音読で読みを取り違える(同形異音語)/テストで音は同じだが違う漢字を書く(同音異義語)
  • 教材=漢字の基礎を育てる 形・音・意味ワークシートの「読み・意味編」(読みかえ・同じ読み方)を単独で。
    渡して観察 → 音読 →(同音異義語は意味を問う/同形異音語は読ませて赤丸・青丸で弁別)
  • 終わりは見えにくい。
    手応え=1回目で読める頻度が増える(青丸が減り、赤丸が増える)

「こうえん(公園)」を「講演」と書いてしまう子。
読めるし、書けるんです。
ただ、その漢字が持つ意味と場面とが、まだつながりきっていない。
だからこそ、あなたが読みと意味をていねいにつなぎ直して、「こっちだ」と選べる力を育ててあげる。
通級担当だからこそ、できる関わりですね☝️

これで、漢字の指導は3本そろいました。
読み・意味、形・書き、そして使い分け。
どれも終わりは見えにくいけれど、その子の「読める」「書ける」「選べる」を、一つずつ増やしていきましょう。

大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊

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