通級の「スピーチ」指導|結論→理由→まとめで“端的に順序よく”話す【実際の指導編⑰】

実際の指導

こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂

前回の実際の指導編⑯(ことわざ・慣用句)は、“あえて力を入れていない”指導の話でした。
今回は、その逆だよ笑
私が時間を使う指導です。
大体1つの指導パーツが2〜5分程度。
でも今回紹介する指導パーツは、大体10分。
テーマは「スピーチ」。

じつはこれ、実際の指導編⑪(作文)と表裏一体なんです。
作文は「書く」。
スピーチは「話す」。
入り口は違うけれど、目指すゴールは同じ。
「端的に、順序よく」伝えることです。

あなたが指導している子の中に、こんな子はいませんか?

  • 発表しても、何が言いたいのか、いまいち伝わらない
  • いろいろ話してくれるけど、「…で、結局なにが言いたいの?」となる
  • 所見に「自分のことを話すのが苦手」と書かれる

本記事を読むことで、

通級で「スピーチ」を、どう指導して“端的に順序よく”話せるようにするのか?

が分かります。

結論から言います。
私のスピーチ指導は、テーマを決めて、話すことを1つに絞り、「結論→理由→まとめ」の順で話す
これだけです。
コツは2つ。
 ①短く話す
 ②順序よく話す。
そして、⑪作文と同じで、書くのは私。
子どもは“考えて話す”ことに集中します。
では、なぜやるのか、どう進めるのかを一緒に見ていきましょう!

なぜ通級で「スピーチ」をやるのか

指導編⑯では「学級での変容を説明できるか」を、やる・やらないの線引きにしている、と書きました。
スピーチは、その基準をしっかりクリアと考えています。

学級には、話す場面がたくさんあります。
朝の会のスピーチ、授業の発表、先生の質問への返答。
ここで「何を言いたいのか伝わらない」と、その子がしんどいだけでなく、周りの子たちの受け止め方や空気にも影響してきますよね…。
分かります? あの空気笑

逆に、「端的に順序よく」話せるようになると、学級での発表や受け答えが変わる。
何を言いたい・伝えたいのかよく分かることが増えてきます。
だから私は、スピーチには時間を使います。

作文(書く)とスピーチ(話す)は、私の中で表裏一体。
書くのが苦手な子には作文、話すのが苦手な子にはスピーチ。
入り口を変えているだけで、育てたい力「端的に順序よく伝える」は同じなんです。

どんな子に、いつやるか

対象は、さっきの「こんな子」で挙げた子たちですね。
発表しても要点が伝わらない子、話がバラバラな子、所見に「話すのが苦手」と書かれる子。

見極めのポイントは、話し方より“中身の整理”じゃないかなぁと思います。
声の大きさやはきはきさじゃなくて、「言いたいことが1つに絞れているか」「順番になっているか」を見ます。

使う教材──「枠」があればいい

私は記入式のワークシートを使っています。
中央にテーマ、まわりに関係のある言葉、上に「結論・理由・まとめ」。
市販のものを使っていた時期もありますが、正直、特定のワークである必要はありません。
この“枠”さえあれば指導可能です。
(※下記にスピーチシートを無料で用意しました。そのまま印刷して使えます。よかったらどうぞ)

📎 無料ダウンロード|通級ラボ オリジナル「スピーチシート」

テーマから関係のある言葉を広げ、1つ選んで「結論→理由→まとめ」で話す、記入式のワークシートです。印刷してそのまま使えます。

スピーチシート(記入例・使い方)

↑ 記入例(使い方の見本)

※画像を開いて印刷(またはPDFで保存)してお使いください。ご家庭・学級での利用も歓迎です。

実際の進め方

私の指導は、だいたいこの流れです。

  1. 確認
    「スピーチの勉強だけど、何のためにやるんだっけ?」→子どもが答える(言えなければ私が伝える)。
    「そのためのコツは?」→子どもが2つ答える
  2. テーマを出す
    「今日のテーマは〇〇。まずは、関係ある言葉をたくさん出してみよう」→子どもがどんどん出す
  3. 「短く」で1つに
    「全部言われても、先生わからなくなっちゃうから笑。“短く”のコツで、1つに絞ろう」→子どもが1つ選ぶ
  4. 「順序よく」で組み立てる
    「じゃあ“順序よく”のコツ。どんな順番だった?」→結論→理由→まとめの順で、子どもが話した内容を私が書く
  5. 練習?本番?
    「よし、できた! 練習する? いきなり本番する?」→子どもが選ぶ
  6. 発表:前に出て、紙を持って、型どおりに話す
ねこもみじ
ねこもみじ

ポイントは、毎回「何のため?」「コツは?」を子どもに言わせること。
目的とコツを、子ども自身に落とし込んでいきます。

発表の型は、こんな感じです。

  • 「今からスピーチを始めます」→ 一礼
  • 「今日のテーマは『〇〇』といえば、です」
  • 「好きなのは〇〇です」
  • 「わたしは〇〇が、ものすごく好きです」
  • 「理由は、〜〜〜だからです」
  • 「これからも、〜〜〜していきたいです」
  • 「これでスピーチを終わります」→ 一礼

1回はだいたい5〜10分。
これも実際の指導編①(組み合わせて・並行して)のとおり、パーツの1つとして組み込みます。

終了の目安と手応え

終了の判断は、正直難しいです。
線引きがあるわけではありません。
ただ、学級適応が高まってきて、関係者(担任・保護者・私)が「スピーチの優先順位は低いね」「もう必要ないね」といった判断が出てきたら、終了にします。

手応え(=学級適応)は、けっこうはっきり出ます。

  • 質問に対して、上手に答えられるようになった
  • 発表のとき、分かりやすく話せるようになった
  • 人前で話すとき、もじもじしなくなった

こういう変化を、担任や保護者から聞けた時。
「あ、スピーチの効果が出ているな」と実感します。

よくある質問(FAQ)

Q. 作文とスピーチ、どちらを先にやりますか?

その子の実態しだいです。
書くのが苦手な子には作文(指導編⑪)、話すのが苦手な子にはスピーチ
育てたい力は同じ「端的に順序よく」なので、その子の実態によります。

Q. すらすら話せるように、話し方の練習をするんですか?

いいえ。
私が見ているのは、話し方より中身の整理です。
「言いたいことが1つに絞れているか」「順序よく並んでいるか」。
声の大きさや話すテンポはそこまで重要ではありません。

Q. 1回にどれくらい時間をかけますか?

5〜10分ほどです。
これだけで45分を使うのではなく、ほかの指導と組み合わせた、パーツの1つとして入れています。

まとめ

  • スピーチの目的は「端的に、順序よく」話すこと。
    ⑪作文と表裏一体(書く/話す)
  • 流れ=テーマ→関係ある言葉を出す→「短く」で1つに「順序よく」で結論・理由・まとめ→発表。
    書くのは先生、子どもは考えて話す
  • 対象=発表で要点が伝わらない子・話が発散する子・「話すのが苦手」な子。
    書くのが苦手なら作文、話すのが苦手ならスピーチ
  • 教材は“枠”だけでいい。
    通級ラボの無料スピーチシートをどうぞ
  • 終了は学級適応で判断。
    手応え=質問に答えられる・発表で分かりやすい・もじもじしなくなった
  • 1回5〜10分、パーツの1つとして

「何を言いたいのか、自分でも分からない」。
そんな子が、「結論はこれ! 理由はこう!」と、順序立てて話せるようになる。
その姿は、学級での発表や、友だちとの会話に直接的につながっていきます。

私がこの指導を思いついてやってみた当初は「ほんとにこの指導で学級で変化するかな…」と思っていました、正直😅
なんですが。
半年〜1年くらい継続すると、ほんとに学級で変わってくるんですよ。
時間はかかりますが、「継続したら変化が出てくる」ことが分かっていたら、あなたも頑張れるでしょう笑?

大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊

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