通級の「意味調べ」指導|教科書の”知らない言葉”を調べ、授業の理解と意欲を高める【実際の指導編⑮】

実際の指導

こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂

さて、前回は実際の指導編⑭(漢字③使い分け編)で、漢字シリーズを締めくくりました。
読み・意味、形・書き、そして使い分け。
3本で、漢字はひと区切りです。
(と自分では思っています。今後、新たな指導を思いついたら書くかもしれません笑)

その⑭の最後で、「使い分けは漢字だけの話じゃなく、語彙や概念も絡んでくる」と書きました。
今回はその話。
言葉そのものへのアプローチ。
教科書の「意味調べ」の指導です。

あなたが指導している子の中に、こんな子はいませんか?

  • 音読はできる。でも、読んでいる文の意味が分かっていなさそう
  • 知らない言葉が出てきても、スルーして読み進める
  • 授業で先生が使う言葉が分からず、話についていけない
  • 語彙が少なくて、学年が上がるほど内容理解がしんどくなってきた

読めたとしたも、読んだ言葉の意味を正確に、いや、なんとなくでも分かっていないと、教科学習がだんだんと苦しくなっていきます。

本記事を読むことで、

通級で「意味調べ」を、どう見極めて、どう進めるのか?

が分かります。

結論から言います。
意味調べ指導は、その子が持ってきた国語の教科書から「知らない言葉」を拾い、意味を調べて、理解につなげる指導です。
ねらいは2つ。
ひとつは、語彙を増やすこと。
もうひとつは、教科書の内容を先取りしておくことで、学級で授業を受けたときに「分かる」を増やし、理解と意欲を高めること
使うのは、教科書と検索ツールだけです。

では、内容に入っていきましょう!

まず「見極める」──この指導は”読める子”から

意味調べは、どの子にでもやる指導ではありません。
ある程度、すらすらと読める子が対象です。

読めない子にいきなり意味調べをさせても、土台が固まっていません。
その場合は、読む力そのものを育てる指導が先。
だから、実際の指導編④(目の運動プリント編)や、実際の指導編⑦(音読編)の指導が必要です。

すらすらと読める。
その前提があって、次のステップとして「読めるけど、意味が分かっていない言葉を分かるようにする」。
それが、この「意味調べ」指導の立ち位置です。

ちなみに、対象は国語にしぼっています。
本音を言えば、社会や理科の言葉もやってあげたい。
でも、通級の限られた時間では、あれもこれもは正直厳しい。
だから、まずは国語だけ。
ここは、割り切っています。

使う教材──特別なワークは、いりません

この指導、使う教材はシンプルです。

  • その子が持ってくる、国語の教科書
  • 意味を調べる検索ツール(タブレットやスマホ)

以上笑
市販のワークはいりません。
(※WISCの「単語」が低い子向けに、語彙を増やす市販ワークを紹介した記事もあります。具体的アプローチ【VCI編②】オススメ教材【VCI編③】ですね。あちらは「語彙の量」を増やす、教材ベースの指導。今回は教科書を使って、学級の授業に直接つなげる指導です。目的が少し違うので、合わせて読むと、使い分けが見えると思います)

なぜ教科書かというと、先取りしたいからです。
次に学級の授業で扱うページを、通級で先にやっておく。
そうすれば、数日後に同じ文章が出てきたとき、その子は言葉の意味が分かった状態で授業に臨めます✨️

実際の指導場面──読ませて、拾って、調べる

では、私の実際の指導の流れを、覗いてみましょうか🫣

やっていることは、この順番のくり返しです。

  1. 「◯ページを、目で読みましょう」と伝えて、黙読させる
  2. 読み終えたら、「聞いたことがない・意味が思い浮かばない言葉はありますか?」と聞く
  3. 「ないです」なら → 次のページへ。「◯ページを、目で読みましょう」と続ける
  4. 「あります」なら → 「どれですか?」と聞きながら、その言葉を紙に書き出していく(書くのは私)
  5. 言葉がある程度たまったら、「じゃあ、意味を調べていきましょう」と伝えて、検索する
  6. 出てきた意味を、子どもに読ませる
  7. その意味を、私が紙に書く
  8. たまった言葉が全部終わるまで、くり返す
  9. 最後に、「◯◯の意味は?」ともう一度たずねて、子どもに言わせる

検索そのものを子ども自身にやらせるかどうかは、その子の実態しだいです。
操作に慣れている子なら調べさせるし、時間がかかりそうなら私がやります。
この指導の目的から外れないように、柔軟に対応しています。

この指導の芯──「目的は、書くことじゃない」

意味を紙に書くのは、私です。
子どもには、書かせません。

これは、漢字シリーズと同じ考え方です。
この指導の目的は、書くことではありません。
目的は、知らない言葉の意味が分かること。語彙が増えること。
だったら書くという作業で、その子の時間や労力を奪う必要はないんです。

子どもにさせるのは、読むこと・言うこと・(実態しだいで)調べること。

ねこもみじ
ねこもみじ

手を動かして書き写す時間は、ぜんぶこっちが引き受ける。
そのぶん、意味を理解することに集中させよう!

熱心な先生ほど「書かせたほうが定着する」と思いがちです。
でも、常に目的に立ち返りましょう。
書くことが目的じゃないなら、書かせなくていい。
ここは、はっきりさせておかないといけませんよ。
特に、通級担当であるあなたは。

終了の目安──やっぱり、終わりは見えにくい

正直に言うと、この指導に「終わり」は見えません。
語彙は、(ほぼ)無限にあるからです。
教科書が進めば、また新しい知らない言葉が出てくる。
だから、どこまでいっても「もう大丈夫」とは、言いにくい。

手応えとしては、先取りした言葉が授業で出てきた時に、その子が「あ、これ知ってる」となり、学級で「分かる」場面が増えることが挙げられます。

ねこもみじ
ねこもみじ

「あ、これ知ってる」。
その一言や、そんな表情が出たきたら、しめたものです。

そこに、この指導の値打ちがあります。

よくある質問(FAQ)

Q. 家庭に勧めることはありますか?

連携したことはあります。
分からない言葉だけを紙に書いておいて、「意味は家で調べて、次回持たせてください」と依頼しました。

ただ、正直あまり効果は期待できないかな、と笑
保護者も、本音を言えばめんどくさいことはしたくないでしょうしね。
やっぱり、通級という環境で、集中して取り組むからこそ効果が高まる。
そう感じています。

Q. 国語以外の教科でもやったほうがいいですか?

やれるなら、やってあげたいです。
社会も理科も、知らない言葉でつまずきます。
算数とかも。
でも、通級の時間は限られています。
あれもこれもと広げると、どれも中途半端になる。
だから私は、国語にしぼっています。

Q. どんな子に向いていますか?

くり返しになりますが、ある程度すらすらと読める子です。
読むこと自体がしんどい子は、まず「目の運動」や「音読」で読む力を育てるのが先。
読める土台があってはじめて、意味調べが効いてきます。

まとめ

  • 意味調べ=子どもが持ってきた国語の教科書から「知らない言葉」を拾い、意味を調べて理解につなげる指導
  • ねらいは2つ。
    ①語彙を増やす、②先取りで、学級の授業の理解と意欲を高める(=学級適応につなげる)
  • 対象は”ある程度すらすらと読める子”。読めない子は「目の運動」「音読」が先
  • 使う教材は、教科書+検索ツールだけ。市販ワークはいらない
  • 流れ=目で読む →「知らない言葉ある?」→ 書き出す(書くのは私)→ 検索 → 意味を読ませる → 私が書く → 最後にもう一度言わせる
  • 「目的は、書くことじゃない」。書く負荷はこちらが引き受け、理解に集中させる
  • 終わりは見えにくい(語彙は無限)。手応えは、授業で「知ってる」が増えること

読めるのに、意味が分かっていない。
その子が「読めて、意味も分かる」状態になれば、学習することがもっと楽しくなります🙂
教科書一冊あれば、通級で今日からできる指導です。

こんな手厚い指導ができるのは、通級担当であるあなたしかいません。
もちろん、「意味調べ」の指導パーツだけで45分間を構成する、なんてバカなことはしちゃいけませんよ笑
他にも必要な指導と組み合わせながら、その子の実態を踏まえて、必要であれば「意味調べ」指導もやってあげてください。

大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊

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