こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・100人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂
この記事を書いている今、世間はお盆でございます〜。
お盆って、多くの人にとって休養する期間だよね、たぶん。
私にとってはそうではない笑!
通級ラボを書く期間だ笑!
というわけで、今日も書きます!
さて、前回は「言葉のイメージ」の指導でした。
言葉と言葉をつないで、概念を育てる。
そういう話でしたね。
そして前回の記事で、言語系の指導パーツは一通り紹介し終えました。
(※新たな指導パーツを生み出せたら、その時は紹介しますね)
今回から、「見る力」の話に入ります。
指導の名前は「よく見よう」。
本記事を読むことで、
通級で「よく見よう」の指導を、どう進めればいいのか?
が分かります。
結論から言うと、使うのは「点つなぎ」。
1回3〜7分。プリントは1枚ずつ渡します。
そして、ただ線を引かせているわけではありません。
これは、字を書くための練習です。
では、内容に入っていきましょう☝️
「よく見よう」で使う教材は、点つなぎだけ
まず教材の話から。
「よく見よう」で使うのは、「点つなぎ」。
こういう教材です。
めーーーーーーっちゃ使ってます😁
この教材だけで「よく見よう」の指導が完結すると言っても言い過ぎではないくらい。
もう1つは、これ。
基本的には、点と点を線で結んで、見本と同じ形を作る。
それだけの指導です。
なんだけど、奥が深いのよ〜。
また、効果が出るのよ〜。
(※教材の中身や選んだ理由はWISC:VSI(視空間)の「積木模様」が低い子への通級指導|オススメ教材2選【VSI編③】に書いたので、今回は「どう使うか」に絞ります)
こんな実態があるなら、この指導を入れます
私が「よく見ようの指導パーツが必要だな」と判断するのは、その子にこんな実態があるときです。
- 字の形が崩れる(マスからはみ出す・バランスが悪い)
- 図形問題が苦手
- 絵を描くと形が崩れる・空間の配置が不自然
3つとも、「形をとらえる」ことに関わっています。
いますよね、教室に。
漢字を何回書いても形が整わない子。
あれ、練習量の問題じゃないことも多いんです。
目の運動とセットでやる。順番は「目の運動が先」
「よく見よう」は、単独で指導することは少ないです。
私は、目の運動と組み合わせることが多いです。
というか、ほぼ必ず組み合わせています。
なぜか?
目の運動 = 視機能(目を動かす力)
よく見よう = 視覚認知(見たものをとらえる力)
この2つを組み合わせると、良い相乗効果が期待できるからです。
(※目の運動については実際の指導編③(「目の運動」対面トレ編)と実際の指導編④(「目の運動」プリント編)で書いた通りです)
そして、順番は「目の運動が先」です。
理由は、視機能の改善のほうが優先順位が高いから。
目がうまく動かせないのに、見てとらえろと言っても難しいですよね。
目を動かす準備運動をしてから、「よく見よう」に入る。
この流れです。
進め方──1回3〜7分。プリントは1枚ずつ
1回の指導は3〜7分。
枚数は、少なければ3枚くらい、多ければ10枚くらいです。
丸つけもその場で、目の前でやります。
そして1枚終わるたびに、こんな声をかけます。
「いいね〜!」
「ほんと、ミスがなくなったね」
「完璧!」
この指導の核──3つのコツは、字を書くためのもの
ここが、今回いちばん伝えたいところです。
点つなぎをやらせるとき、私は3つのコツを必ず守らせます。
- 上から下に書く
- 左から右に書く
- 一筆書きはしない
なぜ、この3つなのか。
書字につながるからです。
特に、漢字。
考えてみてください。
文字を書くとき、下から上に書きますか?
右から左に書きますか?
一筆書きで漢字を書きますか?
……書きませんよね。
点つなぎは、線を引く練習ではありません。
文字を書くときと同じ手の動きを、経験させているんです。
脳に学習させているんです。
だから、ただ結べればOKではない。
結び方にこだわります。

同じ1枚でも、書き方を見ているかどうかで意味が変わります。
ここが指導の分かれ目ですね☝️
漢字の形が崩れる子への指導は実際の指導編⑬(「漢字」②形が崩れる子にパーツで組み立てる力を育てる)で書きましたが、その手前の土台を作っているのがこの点つなぎです。
コツを守れていないときは、どうする?
下から書いた。
一筆書きになっている。
そんなときは、こうします。
「うわ〜!」
「どひゃ〜」
これだけです笑
「違うよ」とは言いません。
大げさに反応して、本人に気付かせる。

あなたの演技力が試されます😏
指摘されるより、自分で気付くほうが残りますからね。
それと、慣れないうちは私が言い続けます。
子どもが1本書くたびに「上から…下」「左から…右」と。
しつこいくらいに。
いつまで言い続けるか。
何も言わなくても、本人が3つのコツを使いながら書き写せるようになるまでです。
そこまで来たら、もう言いません。
難易度は、7段階で刻む
点つなぎは、こういう順で難易度を上げていきます。
- 直線(交差なし)
- 直線(交差あり)
- 斜線(交差なし)
- 斜線(交差あり)
- 図形の重なりあり
- ドットの数が多い
- ドットなしで書き写し
細かいでしょう?
でも、この刻みが大事なんです。
そして、次の段階に進む判断は子どもの様子で決めます。
- 悩む様子がなくなった
- ミスがほとんどなくなった
- ミスしかけても、自分で気付いて修正できる
特に3つ目。
自分で気付いて直せるようになったら、その段階はもう卒業です。
一番つまずくのは「斜線」
7段階の中で、子どもが一番つまずくところ。
斜線です。
特に、交差ありの斜線。
そもそも斜め線を引くのが難しい子が、けっこう多いんです。
まっすぐな線は引けるのに、斜めになると急に手が止まる。
書き間違いが増える。
そんな様子が見られた時は、段階的に支援します。
いきなり答えを教えません。
①○をつけずに待つ
→ 本人が気付いて修正できたら、褒める
②手本の斜線や点を、指し示す・なぞる
③「ここから、こうだよ」と言いながら示す
④それでも難しければ、赤で薄く書いてなぞらせる
①から④の順です。
逆に言うと、①で済むなら①で終わり。
いきなり④はやりません。
変化のサイン
続けていると、学級でこんな変化が出てきます。
- バランスよく字を書けることが増えた
- 漢字テストの再テストで、合格するまでの回数がぐっと減った
- 漢字の宿題の字が丁寧になった
- マスや行に収めて書けるようになった
- 図形問題で正答できることが増えた
- 図形問題で作図ができるようになった
担任にとっても、子どもにとっても嬉しいのは2つ目でしょうね。
再テストの回数。
はっきりと、数で実感できますからね。
ただし、時間はかかります。
数ヶ月〜1年くらい。
数回やって変わるものではありません。
そんな簡単なわけない笑
でも、時間をかければ学級での変化は出ます。
これは断言できます☝️
この指導で「うまくいかないな⋯」と感じたことは、ほとんどないです。
終わりの目安
この指導、いつまで続けるか。
ひとつの目安は、点つなぎのレベルⅡの3〜4あたりまで進んできたとき。
ここまで来ると、指導の優先順位は下がっています。
もうひとつは、関係者の判断です。
担任や保護者が「この指導の優先順位は高くないかな」と考え始めたら、力が高まったと判断しても良い時期ですね。
ここは他の指導と同じです。
よくある質問(FAQ)
Q. 高学年の子にも点つなぎをやらせるんですか?
やります。
学年は関係ありません。
「高学年に点つなぎなんて、嫌がられませんか?」と思うかもしれませんね。
でも、抵抗されたことはないです。
簡単すぎるくらいのレベルから始めるので、むしろすんなり取り組みます。
Q. 最初はどの難易度から始めればいいですか?
実態把握のときに、斜線のあり・なしをやらせてみます。
そこで悩む様子を見て決めます。
迷ったら、簡単すぎるほうから。
難易度を上げすぎないこと。
Q. 家庭でできることはありますか?
もし取り組むなら、簡単なパズルですかね。
難しいものではなく。
ただ、家庭で無理にやらせる必要はないと思っています。
家庭では褒めることが最優先。
これは、どの指導でも同じです。
まとめ
- 教材は点つなぎだけ。1回3〜7分、3〜10枚。1枚ずつ渡す
- 目の運動とセット。順番は目の運動が先(視機能→視覚認知)
- 芯は3つのコツ——上から下・左から右・一筆書きしない。書字、特に漢字につながるから
- 難易度は7段階で刻む。一番つまずくのは斜線(交差あり)
- つまずいたら4段階で手を入れる。①待つ ②指す・なぞる ③言いながら示す ④赤でなぞらせる
「見る力」は、字を書く・図形をとらえる・板書を写す。
学校生活のあらゆる場面に関わる、土台の力です。
目には見えにくい。
でも、確実に伸びます。

難易度を細かく刻んで、簡単なところから積み上げる。
それだけで、必ず変化は出ますよ💪
大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊
📖 実際の指導編シリーズ
- ① 指導をひとつに絞らない理由と考え方
- ② 45分を“指導パーツ”で組み立てる
- ③ 「目の運動」対面トレ編
- ④ 「目の運動」プリント編
- ⑤ 「運動」体幹・バランスから体育へ
- ⑥ 「手の運動」巧緻性・運筆・道具操作
- ⑦ 「音読」たくさん読ませる前にやること
- ⑧ 「言葉のきまり」特殊音節の指導
- ⑨ 「文字(仮名)」平仮名・カタカナを書かせず覚える
- ⑩ 「読み取ろう(読解)」聞かれたことに端的に答える
- ⑪ 「作文」5W1Hで文章を組み立てる
- ⑫ 「漢字」①読み・意味編
- ⑬ 「漢字」②形・書き編
- ⑭ 「漢字」③使い分け編
- ⑮ 「意味調べ」教科書の知らない言葉を調べる
- ⑯ 「ことわざ・慣用句」教える/教えないの線引き
- ⑰ 「スピーチ」結論→理由→まとめで話す
- ⑱ 「気持ち・社会性」SSTと般化の話
- ⑲ 「気持ち」ワークシート1枚の進め方
- ⑳ 「気持ち」ワークシート②「どこが」と「なぜ」
- ㉑ 「気持ち」絵カード編(教材の話)
- ㉒ 「気持ち」絵カード3枚の進め方
- ㉓ 「おしゃべり」①ワークシート編
- ㉔ 「おしゃべり」②実会話編
- ㉕ 「言葉(語彙)」プリント3枚で語彙を増やす
- ㉖ 「言葉のイメージ」言葉と言葉をつないで概念を育てる
- ㉗ 「よく見よう」点つなぎで見る力を育てる(この記事)
📚 関連記事
- 前回(言葉のイメージ編)→「通級の「言葉のイメージ」指導|言葉と言葉をつないで、「要するに」が言えるように【実際の指導編㉖】」
- 目の運動 →「通級の「目の運動」対面トレ編|見る力のアセスメントと指導【実際の指導編③】」
- 教材の話 →「WISC:VSI(視空間)の「積木模様」が低い子への通級指導|オススメ教材2選【VSI編③】」
- シリーズの全体像 →「通級の「実際の指導」とは?【実際の指導編・完全ガイド】」
- 筆者について →「プロフィール」

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