こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・のべ300人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂
この記事を書いているのは10月。
あなたの学校も4月からスタートでしょうから、半分が終わったことになります。
今年度も残り半分!
4月から半年経ちましたが⋯
あなたが指導している子たち、学級での変化は出てきていますか?
え?
私はどうなんだって?
えっとですね⋯。
私が指導している子たちは、学級での変化は出てきています🙂
私は今年度異動しましたので、全員が私にとっては「初めて指導する子たち」。
関係性なし、の状態からのスタート。
だから、学級での変化が出てきているのだとしたら、私の通級での指導力と直接関連があると言えます。(※もちろん、学級担任は誰かなどにも左右されますが)
変化の出方はそれぞれですが、確実に学級での変化は出てきていますよ✨️
こういう変化を感じられ始める時・感じられた時って、ほんとに通級担当やってて良かったな〜って思いますよね〜☺️
さて⋯。
前回の㉞「お話」①全体像で、「お話」指導がどんな指導なのかを書きました。
今回は、その2本目。
目標の立て方です。
より正確に言うなら「具体的な行動目標の立て方」です。
㉞で、「通級担当がつまずくのはここ」と書いた部分ですね。
本記事を読むことで、
「お話」の指導で、目標を子どもとどうやって決めればいいのか?
が分かります。
結論から言うと、私がやっているのは「質問」です。
目標を決めるのは、子ども。
私は質問をして、子どもの言葉を「行動目標」に変えていきます。
いや、変えるというか⋯微修正するというか、整えるというか⋯そういうニュアンスですね。
なかなか目標を言えない子の場合は、私から提案することもあります。
でも最後は、「これは、あなたの目標になりますか?」と本人に確認します。
どういうことなのか?
では、内容に入っていきましょう!
こんな実態があるなら、この記事が役に立ちます
こんな悩みを持つ通級担当の先生に、読んでほしいです。
- 子どもに目標を聞くと、「頑張る」「〇〇しない」(例:たたかない/ちょっかい出さないなど)しか出てこない
- 目標を決めても、学級で実行しているかどうかが分からない
- 結局、大人が目標を決めてしまっている
- 子どもが「困っていることはない」と言う
1回目は、この質問から始めます
「お話」指導の1回目。
私が最初にする質問は、いつも同じです。

そもそも〇〇さんは、何のために通級に来てるんだっけ?
答えられない子には、こう聞きます。
遊びに来てるの?
こう尋ねて、「はい、遊びに来ています!」と答えた子は、これまでに1人もいません笑
「クラスで頑張るため」を確認できたら、次はこうです。
だよね!
なんだけど、これまでの通級の勉強では、「クラスで一体何を頑張るのかとか、何に気をつけるのか?」ってことを考えたことがないよね?
クラスで頑張るために通級に来ているのに、クラスでの目標がないやん笑
このままでいいんだろうか?
こう尋ねたら、子どもは「いや」とか「良くない」と答えます。
で、次はこう続けます。
そうだよね!
先生もそう思う。
じゃあ、クラスでさらにパワーアップしていくために、どんなことを頑張るのか・気をつけるのかを一緒に考えようか。
何のために通級に来ているのか。
このままでいいのか。
ここ=通級で学ぶ目的、を子どもと確かめてから、目標の話に入ります☝️
なぜ自分で決めることにこだわるのかは、㉞「お話」①全体像に書きました。
人から言われて行動するだけでは、学級適応は高まりにくいからです。
私が一貫して大事だと主張している「主体性」ですね!
困っていることより先に、「頑張っていること」を聞く
「一緒に目標を考えようか」のすぐ後に、私はこう聞きます。
ちなみに、既に頑張っているよ、ってことはなにかある?
頑張っていることを聞いた後は、次に困っていることを聞きます。
じゃあ反対に、クラスで困っていることってなにかある?
ここで、「困っていることはない」と言う子もいます。
そんな時は、こうです笑

ほんとに〜!!!???
〇〇先生に聞いたら「あります」とか「△△はまだ難しそうかな〜」って言ってたよ〜笑
ほんとにない〜???
キレちゃダメですよ笑
子どもが「先生は本気じゃなくて、冗談で言ってる」って分かるような演技をしてください😁
こんな風に尋ねたら、子どもは「⋯ある笑」と答えたり、「たしかに、△△はできてないかも⋯」みたいに言います。
頑張っていることや困っていることがいくつか出てきたら、最後はこう聞きます。
〇〇さんが今、クラスで一番頑張りたいのはどれですか?
どれから目標にするかも、子どもに選ばせるわけですね。
目標の数とレベルは、どう決める?
学級の目標は、まずは3個以内
学級の目標は、まずは3個以内にしています。
多くても、5個までです。
なぜか?
子どもが覚えられないから笑
単純な理由です。
最初の目標は、求めたい理想ではなく、本人の実態と担任のニーズで決める
最初の目標のレベルは、本人の実態と担任のニーズで決めます。
「こうなってほしいな」とか「こうじゃないといけないよな」で決めると、大体悲惨な結果になります⋯。
だって、それは教師側の理想だから。
そんな理想をいきなり押し付けられても、子どもからしたら「知るかよ」って話ですよね。
本人の実態は、次の3つで見ています。
- 学級での様子
- テストなどの成果物
- 検査結果 など
担任のニーズは、事前に担任と話して聞き取っておきます。
通級の目的は、学級適応ですからね。
(※通級の目的については、⑱「SSTと言う前に、般化=学級適応を問いたい」に書きました)
「頑張る」「〇〇しない」などを、行動の目標に変える質問
ここからが、この記事の本題です。
㉞の記事でも書きましたが、「お話」指導で一番つまずくのはここだと私は考えています。
どんな内容か?
それは、子どもが言う「〇〇を頑張る」「〇〇しない」「一生懸命やる」などを、その子の実態に合った「行動の目標」に変えられない、ということです。
伝わりますか?
これ、想像以上に難しいんですよ。ほんとに💦
私はもう何も考えなくても自動化されて、子どもが〇〇と言う→「あぁ、じゃあ今のこの子なら、こういう行動目標になるな」、と自動変換されている感じですが笑
ここに至るには、めちゃめちゃ努力と実践と振り返りを継続する必要があります。
子どもに「〇〇を頑張る」と言われたら

頑張るのは当たり前だよ笑
頑張らないなら、そもそも「やるんじゃねぇ」になるやん笑
というわけで、他に何か思いつく目標はありますか?
または、こうです。

頑張るのは当たり前だよ笑
頑張るために、あなたはどう行動しますか?
「たたかない」などと言われたら

たたきたくないっていう気持ちはとっても偉いよ!
ただ、たたかない、っていうのは目標じゃない。
たたかないために、どうするのか、が目標。
というわけで、たたかないためにあなたは何を頑張るの? 気をつけるの?
共通していることは1つ。
「あなたは、どう行動するの?」
これです。
つまり、こういうことです。
頑張る気持ちややる気は否定しない。
でも、それは目標にはならない。
目標にするのはあくまでも「行動」です。
なぜ、そんなに行動にこだわるのか?
なぜなら行動目標であれば、学級で「やったか、やってないか」を子どもが自分で振り返れるからです☝️
行動の目標には、型があります
この記事を書くにあたって、3年分の「お話」の板書(約500枚)を見返しました。
子どもと決めた目標総数は、1,400個以上。
見返してみると、よく使っている型(のようなもの)があることに気付きました。
それを紹介しますね!
型① ×をつけて、代わりの行動を書く
困った行動に×をつけて、矢印で代わりの行動を書きます。
学級の目標に多い型です。
たとえば、こんな感じです(※実際の目標を、少し変えています)。
- 何も書かない× →「思いつきません」「分かりません」など、何か書く
- 自分で判断する× →まずは周りの友だちに相談する など
×だけで終わらせない。
「じゃあ、どうするの?」の答えを、矢印の先に書くんです。
型② 見る先を決める
どこを見るのかを、目標にします。
- 話を聞く時は、先生の目を見る
- (※発表会や音楽会などで)前に出て発表する時は、体育館2階の〇〇を見続ける(※〇〇には、何か目印となるものが入ります)
- 長縄を跳ぶ時は、なわを見続けて跳ぶ など
「ちゃんと聞く」「集中する」は、目に見えません。
だから、やったのか/やれなかったのか、を子どもが振り返れない💦
でも、「どこを見るか」なら、子どもも自分で振り返れるんです。
型③ 心の中で言う
思いついたことをすぐに口に出してしまう子の目標です。
- 思いついたことやツッコミは、心の中で言う
- 質問がある時は、だまって手を挙げる など
「しゃべらない」ではなく、「心の中で言う」。
言う場所を、口から心の中に移すんです。
型④ 「〜ても」で、アクシデントに備える
行事の目標に多い型です。
- リレーでは、こけるなどのアクシデントがあっても最後まで走りきる
- ダンスで間違えても、照れ隠しではなく、真面目に踊り続ける など
起こりそうなことを、先に目標に入れておきます。
保険をかけるわけですね笑
行事の目標の立て方は、4本目の㊲で詳しく書く予定です。
(※行事の目標の例は、FRI編④「新奇場面につなげる指導」でも紹介しています)
子どもが思いつかない時は、私が提案します
質問しても、頑張りたいことや気をつけていることが出てこない子もいます。
その時は、私から提案します。
え、それって大人が決めてない?
そう思いますよね。
だから、提案の仕方に気をつけています。
①先生が思いついたことを書いてみてもいい?
②今から書くから、目で読みながら見ててね
③書いた目標を読んでみて
④今先生が提案・説明した目標は、あなたの目標になりますか?
私が書く。
子どもが読む。
そして、「あなたの目標になりますか?」と聞く。
この流れで、本人に確認します。
こうして、提案したのは私ですが、決めたのは本人、という流れにするんです。
これ、さらっと書きましたけど、めっちゃ重要だよ‼️
当然、子どもから「(自分の目標には)ならない」と言われることもあります。
その時は、こう聞きます。

どのへんが?
じゃあ、どうすればあなたの目標になりそう?
ここで子どもが言い直した言葉が、そのまま目標になります☝️
もちろん、「頑張る」「気をつける」などであれば、行動目標に修正しますよ。
決めた目標を、1週間覚えておくために
目標を決めても、次の通級までの1週間で忘れてしまう子もいます。
まぁそりゃそうだ笑
大人でも覚えておくのは難しいですよね💦
子どもが目標を覚え、学級での実行につなげるために私がやっているのは、大きく次の3つです。
- ①担任に声かけをしてもらう。目標を思い出させてもらいます
- ②朝、私が聞く。登校後に出会った時に、「おはようございます! はい、〇〇さん。あなたの目標は何ですか?」
- ③巡回校の子は、通級で振り返る。朝に会えないからです
目標を小さく印刷して、筆箱に入れさせたこともありました。
担任と相談するなかで、「あ、机に貼らせよう」とひらめいた先生もいました。
板書写真を保護者に渡して、「家でも時々振り返ったり、実行できていることを褒めたりしてあげてね」等と伝えることもありました。
正直に言うと、片付けは本人が決めても難しい
最後に、うまくいかない話もしておきます。
片付けや整理整頓の目標は、なかなか実行が難しいです。
大人が決めても、本人が決めても、です。
なぜなのかよく分からないんですけど。
私が指導してきた中で、片付け・整理整頓で「うまくいった!」と言い切れる事例はありません。
だけど、無策ではありません。
方法はある。
それは、担任と連携すること。
めっちゃ普通やけど笑
たとえば、「金曜日の下校前に5分間、机の中を全部出して整頓する時間を設定する」。
「テストが終わった後の隙間時間を、片付ける時間にする」。
こんな風に片付ける時間を、学級の中に作ってもらう・仕組み化してもらうんです。
そうすることで、ある程度は片付け・整理整頓している状態を保つことはできると思います。
ただ、片付けを自発的に、というのは難しいですね💦
よくある質問(FAQ)
Q. 子どもが「思いつきません」と言ったら?
それも、立派な答えです笑
「思いつきません」と言えたことを、まずは褒めます。
その後、私から提案します。
ただし、最後に「あなたの目標になりますか?」と必ず聞きます。
Q. 目標は、毎回決め直すのですか?
いいえ。
同じ目標を、何週も続けることが多いです。
続けるか、修正するか、達成とするかは、振り返りの時に子どもと決めます。
が、一番大きな基準は「担任がどう判断しているか」です。
なぜだか分かりますか?
分かりますよね笑?
なぜなら、通級指導の目的は「学級適応」だからです。
Q. 質問にうまく答えられない子にも、できますか?
「お話」を始める前に、私は①会話のやりとりができるか、②質問にある程度正対して答えられるか、を見ています。
まだそのレベルに届いていない子には、別の指導パーツから入ります。
語彙を増やす㉕「言葉」、会話のやりとりを練習する㉓「おしゃべり」、話や指示に注意を向ける㉝「よく聞こう」などです。
Q. 目標を書いたカードを、子どもに持たせますか?
ほとんど持たせていません。
小さく印刷して筆箱に入れさせたこともありましたが、基本は通級の板書だけです。
覚えていられない子には、担任の声かけと、朝の「あなたの目標は何ですか?」などで支えています。
まとめ
- 「お話」指導の1回目は、「何のために通級に来てるんだっけ?」から始める
- 困っていることより先に、頑張っていることを聞く
- 学級の目標は3個以内。レベルは本人の実態と担任のニーズで決める
- 「頑張る」「〇〇しない」は、「どう行動するの?」で行動の目標に変える
- 思いつかない時は提案する。最後は「あなたの目標になりますか?」
- 片付けのように、本人が決めても実行が難しい目標もある
いや〜、今回もボリューミーだなぁ⋯笑
私が書いている内容、伝わっていますか?
「お話」指導は、教材がないし、(たぶん)前例や指導例がほとんどないので、イメージしにくいと思うんですよ💦
それを紹介・説明・解説するのは、本当に難しい!
伝わっているのかどうか、全く手応えがないっ!
でも、きっと、何かしら伝わる部分があったり、何かを考えるきっかけになったりしていると信じて、私は残り3回(だと思われる)「お話」指導の記事を書きたいと思いますっ!
次回の㊱では、振り返りの進め方を書く予定です。
子どもが「○(=実行した)」と言うのに、担任は「△(=まぁまぁ実行していたかなぁ)」と言う。
ズレがあるわけですね。
そんな時、どう返すのか。
これを紹介する予定です。
大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊
📖 実際の指導編シリーズ
- ① 指導をひとつに絞らない理由と考え方
- ② 45分を“指導パーツ”で組み立てる
- ③ 「目の運動」対面トレ編
- ④ 「目の運動」プリント編
- ⑤ 「運動」体幹・バランスから体育へ
- ⑥ 「手の運動」巧緻性・運筆・道具操作
- ⑦ 「音読」たくさん読ませる前にやること
- ⑧ 「言葉のきまり」特殊音節の指導
- ⑨ 「文字(仮名)」平仮名・カタカナを書かせず覚える
- ⑩ 「読み取ろう(読解)」聞かれたことに端的に答える
- ⑪ 「作文」5W1Hで文章を組み立てる
- ⑫ 「漢字」①読み・意味編
- ⑬ 「漢字」②形・書き編
- ⑭ 「漢字」③使い分け編
- ⑮ 「意味調べ」教科書の知らない言葉を調べる
- ⑯ 「ことわざ・慣用句」教える/教えないの線引き
- ⑰ 「スピーチ」結論→理由→まとめで話す
- ⑱ 「気持ち・社会性」SSTと般化の話
- ⑲ 「気持ち」ワークシート1枚の進め方
- ⑳ 「気持ち」ワークシート②「どこが」と「なぜ」
- ㉑ 「気持ち」絵カード編(教材の話)
- ㉒ 「気持ち」絵カード3枚の進め方
- ㉓ 「おしゃべり」①ワークシート編
- ㉔ 「おしゃべり」②実会話編
- ㉕ 「言葉(語彙)」プリント3枚で語彙を増やす
- ㉖ 「言葉のイメージ」言葉と言葉をつないで概念を育てる
- ㉗ 「よく見よう」点つなぎで見る力を育てる
- ㉘ 「見て記憶」神経衰弱で見て覚える力を育てる
- ㉙ 「算数」①筆算は教えない。位取りと九九は教える
- ㉚ 「算数」②数概念|答えが合っていても、数え方を見る
- ㉛ 「算数」③位取りと九九|道具は使わない
- ㉜ 「算数」④文章題|絵の上手下手は見ない
- ㉝ 「よく聞こう」聞く力を4つに分けて教材を選ぶ
- ㉞ 「お話」①全体像|目標は子どもが自分で決める
- ㉟ 「お話」②目標の立て方|「頑張る」を行動に変える(この記事)
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- 前回(お話①全体像)→「子どもの主体性を育てる|目標は子どもが自分で決める、通級の「お話」指導①【実際の指導編㉞】」
- 学級適応の考え方 →「友達とトラブルが多い子に|SSTと言う前に、般化=学級適応を問いたい、通級の「気持ち」の指導①【実際の指導編⑱】」
- 行事の目標の例 →「新奇場面が苦手な子への通級指導|初めての行事や役割に備える目標づくり【FRI編④】」
- 会話のやりとりから →「会話が続かない子に|単語で終わる・話が広がらないなら、まずワークシート、通級の「おしゃべり」指導①【実際の指導編㉓】」
- シリーズの全体像 →「通級の「実際の指導」とは? 「どう教えるか?」の全体像【実際の指導編・完全ガイド】」

