こんにちは‼️
通級担当として、10年以上・のべ300人以上の指導歴がある「ねこもみじ」です🙂
いや〜約1ヶ月半ぶりくらい?
久しぶりの投稿になってしまいました〜💦
なんでかって???
仕事が忙しすぎたから笑
9月から約1ヶ月半、まぁ忙しかったですよ。
その理由は、今後少しずつお伝えしていくとして⋯。
突然ですが、あなたが通級で指導している子どもの人数は何人ですか?
1ケタ?
10人くらい?
15人くらい?
20人くらい?
それ以上?
えっと、私の場合⋯。
今、24人。
おいっ‼️
多すぎやろっ笑‼️
高学年は、授業時間が1週間でMAX29時間(※地域や学校によって多少前後するでしょうが)。
専科などの授業があるから、私が見聞きした範囲では、担任は実質20〜22時間くらいを受け持っていることが多いのでは?
でも私は24時間⋯。
記録作成に1日1時間使うとして、24時間+5時間=29時間。
どっ、どういうことっ⋯笑?
と、いうわけで⋯笑
前回の㉝「よく聞こう」で、聞く力の指導パーツを紹介しました。
今回から、いよいよ「お話」の指導パーツに入ります。
お話の指導は、子どもによっては「プロジェクト」とか「作戦」と名付けています。
「自分研究所」みたいな名前をつける方もおられますね。
この「お話」の指導。
通級の指導パーツの中で、一番難易度が高い指導だと私は思います。
思います、というか、一番難易度が高いです。と言い切りましょう。
そのため、内容が多すぎてと1本ではとても書ききれない💦
なので、なんと5本に分けて書いていく予定です笑☝️(※もしかしたらさらに増えるかも笑)
今回はその1本目。
「お話」指導の全体像です。
本記事を読むことで、
通級の「お話」は、どんな指導なのか?
が分かります。
結論から言うと、「お話」は、子どもが学級で実行する目標を自分で決めて、実行して、振り返る指導です。
子どもの主体性を高めるためにかなり効果的な指導だと、断言します。
キモは、目標を決めるのが、大人ではなく子ども本人であることです。
「え、子どもに決めさせて大丈夫なん?」
というあなたの声が聞こえてきそうです笑
では、内容に入っていきましょう!
こんな実態があるなら、この指導を入れます
まず、どんな子に「お話」の指導パーツを入れるか。
- 授業中に思いついたことを言ってしまう。注意されても、しゃべり続けてしまう
- カッとなると、手が出たり言い返したりしてしまう
- 分からない時に固まって、何も書けない・聞きに行けない
- 行事(運動会・学習発表会・宿泊学習など)が近づくと、不安が強くなる
こういった実態が見られたら、「お話」の指導が必要かも?と考えます。
つまり学級において、行動面で困っていそうな場合、ですね。
ただし、どの子に対してもできる指導ではありません。
この理由は後で書きますね☝️
「お話」とは?──学級で実行する目標を、子どもが自分で決める
「お話」でやることは、シンプルです。
①通級で目標を決める
②学級で本人が実行する
③次の通級で、実行したかどうかを「○△×」と、理由で振り返る
④褒める・目標を修正する
これを、継続して繰り返します。
「お話」指導の板書の基本型はこんな感じです。

「お話」の板書の再現図。
①②③の目標は、本人が学級で実行するものです。
通級の中では完結しません。
というか、完結させてちゃダメです。
通級で決めて、学級で実行して、また通級で振り返る。
その繰り返しにより、本人の学級適応を高めていくんです。
「SSTと言う前に、般化=学級適応を問いたい」でも書きましたが、通級の目的は学級適応です。
気になるのは、子どもの○△×の自己評価や、子どもが話した理由が本当かどうか。
ここですよね。
どうするのか?
私は、指導までに担任に尋ねて、確認しています。
担任と話す時間が確保できなかった時は、専科の先生など、その子に関わっている人に尋ねて確認します。
指導までにある程度情報を集めておいて、子どもが学級で目標を実行しているかどうか把握したうえで、子どもと「お話」の指導を進めていくんです。
そうすることで、事実と異なる自己評価や理由を子どもが話してきたら、「あ、そうなの? ちなみに〇〇先生は△△って言っておられましたが⋯ほんとーに、◯でいいんですよね???(※にっこり笑顔で少しずつ詰め寄るイメージ笑)」みたいに返すことができます☝️
指導時間は、短ければ7〜10分。
運動会や宿泊学習などの大きな行事の前は、20〜25分かけることもあります。
(※45分の組み立て方は、②「45分を指導パーツで組み立てる」をご覧ください)
ちなみに、私はその子に合わせて「お話」「作戦」「プロジェクト」と呼び方を変えています。
低学年なら「お話」が多くて、高学年になっていくほど「プロジェクト」が多いですかね。
呼び方は違っても、指導の中身は全部同じです。
この「お話」指導には、私が付けた指導法名があります。
個人的には気に入っていますが、果たしてみなさんには受け入れられるかどうか⋯笑
ま、これは今後紹介しますね。
なぜ、子どもが自分で決めるのか
理由は、とってもシンプルです。
❌️人から言われて行動する。
→これでは、学級適応は高まりにくいから。
⭕️自分で決めた目標を実行する。
→これが主体的な行動になり、学級適応が高まるから。
誰かに決められた目標と、自分で決めた目標。
あなたなら、どちらを実行したくなりますか?
では、子どもは本当に目標を実行するのか?
数えてみました。
2024〜2026年度の「お話」の板書写真495枚(30人分)。
(※本当は過去の10年以上分を数えたかったですが⋯数が多すぎて笑 また今度!)
子ども達の自己評価は以下のようになりました。
- できた(◎・○)…364個(72%)
- 一部できた(△・△〜○)…121個(24%)
- できなかった(×)…21個(4%)
100%ではありません。
でも、子どもの主体性を高めたといえるレベルだ、とは思います。
だって、子ども本人の自己評価で、「できた」と「一部できた」を合わせたら96%ですからね。
通級で、子どもの96%が「学級で目標を実行できた」と答える指導パーツを、あなたは知っていますか?
ごほうびは、ほとんど使っていません
以前は、シールやポイントなどのごほうびを使っていた時期もありました。
今は、ほとんど使っていません。
ごほうびがなくても、子どもたちは実行すると分かったからです。
ウソみたいでしょ?
ホントなんだよ笑
取組に、名前を付ける
ある程度目標を継続して実行できるようになってきたら、取組に名前を付けることがあります。
「お話」だった名前を、「〇〇作戦」「〇〇プロジェクト」みたいにする、ということです。
子どもがいくつもアイデアを出すこともあれば、考えた末に「思いつきません」と言う子もいます。
その時は、私がアイデアをいくつか提案します。
名前を付けると、子どもはより主体的になります。
なんでか分かりますか?
なぜなら、自分で付けた名前だからです。
目標は「がんばる」ではなく、行動で決める
子どもに目標を聞くと、最初はだいたいこう言います。
「勉強をがんばる」
「〇〇しない」
悪くない。
悪くないんですよ、意欲としては。
でも、目標になってない。

頑張るのは当たり前だよ笑
頑張らないなら、そもそも「バカヤロー」じゃん笑
こんな感じで返しています😁
子どもも笑ってますね笑
「頑張る」も「〇〇しない」も、何をするのかが分かりません。
だから、実行できたかどうかを子どもが適切に振り返れない。
適切に振り返れないと、実行できたのか/できなかったのか、が曖昧になる。
曖昧になると、学級での行動変容は見られにくくなります。
だから、「頑張るために、あなたはどう行動するの?」とか、「〇〇しないために、あなたは何に気をつけようと思ってるの?」と尋ねます。
そうやって、行動の目標にしていきます。
実際の目標は、例えばこんな感じです。
- 質問がある時は、だまって手を挙げる
- 思いついたことやツッコミは、心の中で言う
- 運動会:姿勢よく「気をつけ」をし、止まり続ける
- 運動会:〇〇さんの手を見続けて、バトンを渡す
- 学習発表会:〇〇先生の目を見続ける など
この記事を書くにあたり、3年分ではありますが、板書を見返してみました。
子どもが設定した目標は、1,400個以上。
そのうち、「がんばる」という言葉が入った目標は0個。
そう、0個。
自分でもビビる笑
そのくらい、行動の目標にすることは重要なんですね。
とはいえ、通級担当としては、ここが一番つまずくところだと私は考えています。
「〇〇しない」「一生懸命やる」を、その子の実態に合った行動目標に変えられない。
難しいんだよ〜これが💦
あなたもきっとつまずくと思うよ😓
(※行動の目標の立て方は、次回の㉟で詳しく書く予定です☝️)
行事と、めちゃくちゃ相性がいい
「お話」は、行事とめちゃくちゃ相性がいいです。
数字としても、相性の良さがはっきり出ました。
- 行事の目標(計404個)…「○=できた」と評価したのが79%
- 学級の目標(計95個)…「○=できた」と評価したのが43%
なぜか?
行事は、PDCAがしやすいからです。
枠組みが比較的しっかりしていて、子どもも見通しを持ちやすい。
そして、私自身が子どもを直接観察しやすい。
一方で、学級の目標は「一部できた(△)」が多くなります。
95個のうち51個が△(△〜○を含む)で、×は3個だけでした。
なんでなんだろう?
考え続けてはいるのですが、「これだ!」という自分なりの答えはまだ見つかっていません。
ただ、おそらくは⋯「学級担任の支援の実行具体や、支援のレパートリーの種類、そしてその子との相性が大きく関係しているのではないか」という仮説は持っています。
この点に対しては、これからも探り続けていきたいところです。
行事での「お話」指導の実際は、4本目の㊲で詳しく書く予定です。
(※行事の目標の例は、FRI編④「新奇場面につなげる指導」でも少し紹介しています)
どの子にでもやるわけではありません
「お話」を始められるかどうかの基準として、私は2つ見ています。
1️⃣会話のやりとりができるか?
2️⃣こちらの質問に、ある程度正対した内容を答えられるか?
なぜ、この2つなのか?
「お話」の指導は、会話のやりとり・会話の積み上げ・理由の説明・「今後どうしたいか」を、子どもが言えないと成立しにくいからです。
まだそのレベルに届いていない子には、別の指導パーツから入ります。
行事から始めるか、学級から始めるかも、決めていません。
いーーーーーーっつも言っていますが、その子の実態によります。
うまくいかなかった子もいます
知的発達に遅れはない。
通級ではやりとりが成立して、目標もばっちり決められる。
でも、学級では全然、もしくはなかなか目標を実行できない。
そういう子が、何人かいました。
理由を尋ねる。
対処を一緒に考える。
担任と要因を検討して、学級での支援を考える。
保護者への伝え方を考える。
本人を強めに指導する。
時には、担任が叱ることもありました。
どれも、その時は・少しは効いたのかな、とは思います。
でも、目標を実行し続けられたかというと、そうではありませんでした。
そして、その要因は明確にできませんでした。

10年以上やっていても、分からないことはあります。
未だによく分かりません💦
やはり、通級指導は奥が深いですね⋯。
変化のサイン──主体性・明るさ・素直さ
「お話」を続けた子に見えてくる変化は、3つです。
1️⃣主体性
2️⃣明るさ
3️⃣素直さ
「2️⃣明るさ」は、子どもが「学校楽しい」「友だち好き」ということ。
「3️⃣素直さ」は、教師の側から見れば「言うことを聞ける」ということ。
そして、明るさや素直さが増してくると、「1️⃣主体性」につながります。
子どもが学級や学校で、楽しく過ごせていること。
前向きで、笑顔が多くて、誰が見ても「良い感じで、よく頑張ってるね」という状態。
「お話」は、ここを目指す指導かなと思っています。
目標が減っていって、終わる
○が何回か続いたら、本人に尋ねます。
「この目標、今では結構当たり前に実行できるようになってきたね」
「どうする?このままもうしばらく続ける?それとも『クリア!』にする?」
学級適応が進んでいれば、あえて次の目標は決めません。
目標の数を、減らしていきます。
そして目標がなくなったら、「お話」の時間もなくなります。
それでいいんです☝️
よくある質問(FAQ)
Q. ごほうびは使わないのですか?
はい。
今はほとんど使っていません。
ごほうびがなくても、自分で決めた目標なら、子どもたちは実行するからです。
Q. 子どもが「全部○」と言いませんか?
言います笑
特に、「お話」の指導を開始して間もない頃は、よく言います笑
だから、担任に確認しておくことが重要なんです。
子どもは○、担任は△。
そんな時は、「あなたのことをクラスで一番見ておられる〇〇先生は、△と言っておられます。この意見について、あなたはどう思う?」と尋ねます。
詳しくは、3本目の㊱で書く予定です。
Q. 何年生からできますか?
学年では決めていません。
見ているのは、会話のやりとりができるか、質問に正対して答えられるか、です。
たとえ1年生であっても、何人も指導してきました。
まとめ
- 「お話」は、学級で実行する目標を、子どもが自分で決めて、実行して、振り返る指導。
主体性を高めるために、かなり効果的 - 人から言われた行動では、学級適応は高まりにくい。
自分で決めたから、実行する - 目標は「がんばる」ではなく、行動で決める
- 行事と相性がいい。
始める前に、会話のやりとりができるかを見る
次回の㉟では、「お話」の目標の立て方を書きます。
1回目に、何を聞くのか。
「頑張る」「〇〇しない」を、どう行動に変えるのか。
少しでも分かりやすく伝えられたらなぁと考えています。
「お話」の指導は難しい。
難しい指導を、こうやってブログで書くことは、もっと難しい笑
でも、諦めない!
通級担当である「あなた」のために、少しでも役立ってほしいから。
私も頑張ります。
大丈夫!
一緒に頑張っていきましょう😊
📖 実際の指導編シリーズ
- ① 指導をひとつに絞らない理由と考え方
- ② 45分を“指導パーツ”で組み立てる
- ③ 「目の運動」対面トレ編
- ④ 「目の運動」プリント編
- ⑤ 「運動」体幹・バランスから体育へ
- ⑥ 「手の運動」巧緻性・運筆・道具操作
- ⑦ 「音読」たくさん読ませる前にやること
- ⑧ 「言葉のきまり」特殊音節の指導
- ⑨ 「文字(仮名)」平仮名・カタカナを書かせず覚える
- ⑩ 「読み取ろう(読解)」聞かれたことに端的に答える
- ⑪ 「作文」5W1Hで文章を組み立てる
- ⑫ 「漢字」①読み・意味編
- ⑬ 「漢字」②形・書き編
- ⑭ 「漢字」③使い分け編
- ⑮ 「意味調べ」教科書の知らない言葉を調べる
- ⑯ 「ことわざ・慣用句」教える/教えないの線引き
- ⑰ 「スピーチ」結論→理由→まとめで話す
- ⑱ 「気持ち・社会性」SSTと般化の話
- ⑲ 「気持ち」ワークシート1枚の進め方
- ⑳ 「気持ち」ワークシート②「どこが」と「なぜ」
- ㉑ 「気持ち」絵カード編(教材の話)
- ㉒ 「気持ち」絵カード3枚の進め方
- ㉓ 「おしゃべり」①ワークシート編
- ㉔ 「おしゃべり」②実会話編
- ㉕ 「言葉(語彙)」プリント3枚で語彙を増やす
- ㉖ 「言葉のイメージ」言葉と言葉をつないで概念を育てる
- ㉗ 「よく見よう」点つなぎで見る力を育てる
- ㉘ 「見て記憶」神経衰弱で見て覚える力を育てる
- ㉙ 「算数」①筆算は教えない。位取りと九九は教える
- ㉚ 「算数」②数概念|答えが合っていても、数え方を見る
- ㉛ 「算数」③位取りと九九|道具は使わない
- ㉜ 「算数」④文章題|絵の上手下手は見ない
- ㉝ 「よく聞こう」聞く力を4つに分けて教材を選ぶ
- ㉞ 「お話」①全体像|目標は子どもが自分で決める(この記事)
📚 関連記事
- 前回(よく聞こう)→「通級の「よく聞こう」指導|「聞く力が弱い」を4つに分ける【実際の指導編㉝】」
- 行事の目標の例 →「新奇場面が苦手な子への通級指導|初めての行事や役割に備える目標づくり【FRI編④】」
- 45分の組み立て →「通級の指導内容と45分の組み立て方|指導を“パーツ”で並べる【実際の指導編②】」
- 会話のやりとりから →「通級の「おしゃべり」指導①|単語で終わる・話が広がらない子に、まずワークシート【実際の指導編㉓】」
- シリーズの全体像 →「通級の「実際の指導」とは? 「どう教えるか?」の全体像【実際の指導編・完全ガイド】」


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